空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

災害時用非常持ち出し袋タイムカプセル

ここ数日部屋の整理をしていました。すると、部屋の奥から古いショルダーバックが出てきました。それは緊急時用の非常持ち出し袋。すなわち、災害時の持ち出し袋ですね。今では一セットとして売っているものもありますが、これは自分の家で捨てる直前のショルダーバッグを利用して詰めたものです。

さてこのバッグ、先の東日本代震災後など何度か入れ替えをしているものが玄関近くに置いてあるので、自室のそれはほとんど放置状態でした(さすがに震災後に軽く1度チェックした記憶あるけど、ほとんど入れ替えず)。ただ、昨今のこともあり、また何か起こるかもしれないと急に思い、この機会に中身を入れ替えてみることにしました。

まず入れ替えるのは、賞味期限が切れた食料品(ちなみに入っていたものは缶入り非常用水の期限が2009年、非常用カンパンの期限が2008年でした)。それと使えなくなっていたものいろいろ。

しかし、こうしてチェックをしてゆくと同じ緊急時の避難用といっても、中に入れるべきものがだいぶ変わっているのです。

その変化は、まるで昔埋めたタイムカプセルを見るかのように。

 

技術的進歩における避難用具の変化

たとえばこれ。

昔の懐中電灯(単一電池2本)

災害時には停電の恐れも高いため、非常持ち出し袋の中にライトを入れるというのは、今も昔も代表的なもののひとつです。しかし、今上のようなものが主流とは思えません。

まず、懐中電灯に使われている豆電球ですが、今、災害懐中電灯の電球は、多くがLED電球です。今後は豆電球の方が見かけるのが難しくなるでしょう。

さらにそれに使われる乾電池も単三。単二電池の方が見つけるのが難しいです(まあまだ売ってはいますが)。そして電池もアルカリ乾電池や充電池主流で、マンガン乾電池はかなり見なくなってしまいました。

Panasonic LED懐中電灯(単3電池3個用) BF-BG20F

Panasonic LED懐中電灯(単3電池3個用) BF-BG20F

 

だけど、かなり前は電池といえば単一から単四まで普通にあって、ナショナル製の黒もしくは赤乾電池がポピュラーだったのですよ。昭和生まれなら、このロゴ、このデザインに愛着を覚えている人も多いかと思われます。

ナショナルマンガン乾電池赤

ちなみにこの電池、開けたけど懐中電灯照らすことも出来なかったです。日付見たら「89-03」だもんなあ……。 

 

あと、情報取得用のラジオもそうですね。昔はラジオ単品とかでしたが(これは昔から単三電池が多かったような)、今ではライトと一体型のものや、電池を使わないものもあります。

それ以前に先の東日本大震災では、情報取得の手段がラジオというのではなくなっていましたね。まだ記憶に新しい人も多いでしょうが、あの時は携帯端末による情報の取得が盛んに行われ、活用されました。バッテリーの限界はありましたが、かなり活用されたが故、この時から避難用具に関しても携帯用のバッテリーというのは考慮に入るもにのなったと思われます。

ほかにも救急用品なども、昔に比べてコンパクトになったり、いろいろなものが加わっている場合もあるようですし、そういうところでも「技術の進歩」が非常持ち出し袋の中身に影響しているのかもしれません。

 

技術的なもの以外でも避難用具が変化

技術的な進歩でこのように緊急持ち出し袋の中身が変わっているわけですが、それとはまた別に過去と現在とで異なるであろうものが存在するのにも気づきました。

まず、自分は今回新たに「ガムテープ」を追加しました。これは東日本大震災における被災された人が述べたことで、ガムテープが色々使えるというのを聞いたから。つまり、大震災という経験を生かしてそれをフィードバックすることにより、持ち物に変化が生じたと言えます。

特に言われたのが衛生面のこと。震災前はそれほど見かけなかったように記憶している応急用トイレも、今Amazonで「非常用」と検索すれば、すぐ出てくるようになっていますが、これもフィードバックなのかもしれません。

サッと固まる非常用トイレ袋(30回分) 災害での断水時でもトイレが使える!

サッと固まる非常用トイレ袋(30回分) 災害での断水時でもトイレが使える!

 

 ほか被災生活におけるプライバシー及びストレスの問題を解消するためのものもあるでしょう。

しかし、昔からの持ち出しグッズで、震災によりその有効性が実証されたというようなものもあると思われます。このへんももうちょっと調べてみようと思います。

 意外なところで思いついたこと。これらの被災用具に「新聞紙」というのがあります。これはシートや防寒などいざという時色々役立つのですが、大昔はどの家庭でもあり、入手が簡単だった新聞紙も、今では存在しない家というのもあるのではないでしょうか。そういう面での時代の変化もあるかもしれません。

 

自分に合った非常持ち出し袋の構築

このようなことを思いつつ、ネットで必要そうなものを調べたり考えて用意しています。

しかしそこで思ったのは、「非常持ち出し袋の中身は個人個人によって異なる」ということ。つまり、性別、年齢、家族構成ほか多数の個人の状況によって、持って行くものには+αが確実にあるということです。特に医療、衛生面では(経済面もかもしれんけど)。

そして、それはおそらく個人個人によって全部違うと思います。それは実際的な面でも、もしくは心情的な面でも。つまり、市販の持ち出し袋を買ってきてそれでよし、とはならないのではないかと。

故に、絶対的にこれがあれば大丈夫というのではなく、自分が被災した時に必要なものは何か、というのを考える必要があるでしょう。 

そんなことを考えたり調べたりしつつ今詰めてますので、まあそのうちまとまったらその理由なども添えて。

実際に被災した方が当時を思い出してそれを書いているのが発見出来れば、それがかなり参考になるかもしれませんね。それもまた知のフィードバック。