池上彰選挙特番が触れたものは本当に「タブー」なのか

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選挙が終わりました。これについてはいろいろ書くことがあるのですが、今、一番気になっているのはそれについての選挙速報のこと。しかしそれは番組内容ではなく、むしろ視聴者、とりわけネットにおける反応。

池上選挙特番

ここのところ選挙特番といえば、話題の一つとなっているのが、テレ東で池上彰氏が司会を務める特番。視聴率においても民放ではダントツの存在感を出しているようです。

さて、この特番ではよくネット上で「池上無双」と言われています。それは政治家に対して過去の言動や起きた事件について包み隠すことなくストレートに聞いたり、政党の支持母体や歴史について、ほかの特番ではあまり触れられない切り込みをするのが話題となります。

しかし、この番組自体はいいのですが、いつも気になるのは、この番組で政治家や政党、そしてその支援団体に切り込むと、ネットで「タブーに切り込んだ」と言われます。

その際たるものが、公明党と創価学会の特集。今回は説明だけではなく、公明党本部へ取材にも行っていましたし、太田代表とも対談していました。公明党のこれについては「タブーに触れた」どころか「池上さんの身は大丈夫か?」まで言われることもあります。

しかし、私はこの番組、ずっと見てましたか、全くそこまで大げさなものではないと思います。

たしかにテレビで創価学会の特集をするようなことは普段あまりありませんし、公明党本部の中にテレビカメラが入ること自体も珍しいでしょう。ただ、普通に見ればただの政党取材ですし、それは前回行っていた共産党本部の取材と似たような視点でしょう。他の事務所の取材と視点は似たようなものだったかと。

まあ、太田代表にJTB問題を聞いたのはわりと切り込んだなあとは思いましたが、これもよくよく考えてみれば、他の候補に過去その人関係で起きた事件を聞くようなもので、たとえば自民党の幹部に政治資金報告書の問題やそれがらみのいろいろについて聞くのと大差ないでしょう。別に他の党にやっていたことを特別扱いしないで、公明党にも同じように聞いていただけと思います。

「公明党の支持母体が創価学会」なんてみんな知ってる

そもそも、池上氏が切り込んだようなところ、とりわけ公明党関連に対しては、過剰にタブー視しすぎのような気がするのですよね。ネットの反応では「公明党の支持母体は創価学会」というのをテレビで言うだけでタブー扱いですから。

しかし、そもそも選挙特番を見る層で「公明党の支持母体は創価学会」というのを知らない人のほうが少数派ではないでしょうか。むしろ知らないと、もうちょっとニュースを見て社会学んだ方がいいんじゃない? と言われるレベルかと思われます。だって、週刊誌、それにネットにも普通に書いてありますし。

さらに知人で公明党の応援活動をしていて、投票をお願いされたことがある人も多いと思いますが、その人がどういう経緯で応援しているか、たいていの人は知っているのではと。

むしろ、創価学会の人でさえ、タブーなんて思っている人はほとんどいないのではないかと。おそらく、選挙時に他の政党やその支援者がそうするように、自分達も公明党を支持しているだけだ。そこにやましさはないだろ、的な感じで行動していると思われます。実際、選挙活動でも学会員なことをタブーと言われるほどに隠して行動している人ってのは自分の知る範囲では聞いたことがありません。つまるところ、あのテレビでやったことで身の安全どころかそうそう怒る人はあまりいないような気がするのです。そもそこあのレベルで怒ってたら、よくケンカしてる週刊誌とか相手なら身が持たないでしょうし。

つまり、別に「公明党の支持母体は創価学会」なんてのはすでに知れ渡っているはずなのに、何故かタブー扱いされているのです。

これの理由はおそらく、テレビでほとんどとりあげられないからなのでしょう。まあそれはそれでテレビというメディアの問題でもあるのですが、だからといってそこでとりあげないからといって、「池上さんの身は大丈夫か」クラスまでタブー視するのは大げさに過ぎると思うのです。

あと、よくネットでは公明党本部や創価学会のある信濃町がなんだかタブー地域のように言われることがありますが、東京に住んでいればそんなおおげさなものではないとすぐにわかります。実際神宮球場もあるわけで(まあ明らかに不審な行動をしていればそら目をつけられるでしょうが、それはどこでも同じだろうと思う)。

あれくらいでタブー地域なら、富士見二丁目なんか輪をかけてそうなりますが、わりと別に普通に歩けます(警察官はいるけどね)。ある意味において本当にヤバいのは成田東峰地区くらいか。

過剰反応することの危険

ここでの問題は、まず、テレビがとりあげないとそれが一般だと思ってしまう意識がひとつ。ネットが普及しているのだといっても、情報のソースのメインがまだまだテレビなど放送依存だなという感じがします。

そしてそれより問題なのは、別にそこまでではないものをタブーとして過剰反応することによって、それがいつのまにか本当にタブーとなってしまい、誰も触らなくなるという現象が起きてしまうこと。そしてそれが今のテレビやその報道に見られる現象かと。

実はこれが何よりも危険だと思うのです。それは周りの人だけではなく、そのタブーと言われてしまった存在までも変なバイアスをかけてみられるわけで。

ただ、政治においてはテレビが扱わないということで、公明党や宗教周りだけではなく、あらゆる面でこういう現象が起きている気がします。

そこから生まれる誤情報、すなわち「デマ」

何より怖いのは、そこで情報が伝わらなくなるため、「デマ」が生まれること。つまり実際はしていないのにもかかわらず変な団体とくっついているとか、不正な行為をしているなど。実際選挙前にも、全く根拠のない、デマと見られる情報が与野党やそこに所属する政治家問わず流れていました。これは今後の課題となるでしょう。

もちろん、本当に「タブー」とされているものがないとは言いません(実際媒体に限らず扱うと面倒なものというのはあるでしょうし)。が、テレビで扱わないというだけであまりにも過剰にそれを捉えすぎると、前述のように存在しない幽霊をそのうわさだけで恐れることになり、それどころかそこからデマ(たとえばアレは○○の生き霊だとか)まで生まれてしまうようなことになる可能性もあるわけです。

こういうタブー視、とりわけ「池上さんの身は大丈夫か」というのは、ネット特有の「ネタ」もかなり含まれていると思います。しかしながらそれを言い重ねることによって、ネタがいつのまにか多くの人にとって本当のことになってしまうという危険性があります。そして、最悪の場合それを利用して、デマを真実としてしまう人も出かねないと。

つまるところ、テレビに出ないから、他人がそう言うからタブーとかそういった意識は捨てて、自分の眼でしっかり見て、調べて、考えることではないかと思うわけです。

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