義務教育であまりやってなさそうだが子どもに教えておいたほうがよさそうなもの

今に始まったことではありませんが、 このところのニュースを見ていると、それについての知識がないが故に犯罪や違法行為などに巻き込まれ、被害者となるケースが多いように見受けられます。例えば労働法を知らないばかりにブラック企業に逆らう術を知らずその餌食になったり、消費者保護法などを知らないがために、悪徳商法や詐欺から身を守る方法があるのにそれを行使出来ないなど。
故に、そういうニュースを見ると、知識を前もって多くの人が、出来れば子供の頃から知っておけばいいのになあと思うわけです。そしてそれは法律分野以外においても。

というわけで、思いついたところで「(自分のだいぶ前の経験とかから判断して)これあまり義務教育でしっかり教えてはなさそうだけど、教えといたほうがいいんじゃね?」というものを書きだしてみます。ほとんど羅列式ですが(つまり実際の教育現場で導入できるかどうかの可否、もしくは副作用、何よりちゃんと教えられる人を揃えられるかなどはあまり深く考えず)。あと思想関係とか今日はそういう主旨じゃないのでその辺は除外します。

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法律系知識

まあできれば六法を全部とは言わなくてもだいたいの概要くらい知っていたほうがよいのですが、さすがに義務教育だと容量的に無理があるかもしれないので(それでも憲法刑法民法の軽いところくらいは)最重要と思われるものを。

労働法関連(対ブラック企業対策、各種ハラスメント対策、責任裁量など多数)

まず思いつくのは労働法関連。つまるところ、将来労働者となった時、命じられているものが違法であるかを判断する能力。もちろんそれから逃れるためのプロセス(労基署とか司法を使うなど)を知ることも当然必要ですが、それ以前にまず自分の置かれている状況が合法か、そしてそれに必要以上の責任が押しつけられていないかなどを知ることが非常に大切だと思われます。以下のように、アルバイトなのに必要以上の責任を負わされているのに、それに抗えないでいるようなケースもあるみたいですし。

別に企業が手動していない場合でも、自分が受けているものがセクハラ、パワハラなど何らかの権力を盾に行われた違法行為じゃないかどうかを判断する力を身につけるのは重要だと思います。

早いうちから教師や先輩などに対してその判断力を持てれば成功じゃないかと(でも書いてて、これがまさか義務教育でしっかりこの手のことを教えない理由じゃないだろうなと思ってしまったのだが……そんなこと……)。

あと、雇用者になるような場合でも、どう考えても違法な労働やパワハラ、セクハラをさせた挙句、労基署のお世話になったり社会的信用を失って現在進行形のどっかの企業みたいに従業員や顧客離れを引き起こさせたりしないように、それを抑止する策をしっかり知っておく必要があるでしょう(むしろこっちの方が重要かも。知っててやってればもうそれは人格の問題だが)。

対悪徳商法用(消費者法、契約関連の諸法、悪徳商法の手口)

文字通り。悪徳商法で高額な金額を取られてしまうケースでは、消費者の防衛策である「クーリングオフ」の適用がなされなかったケースが多々見受けられます。というのは、悪徳商法を行う側が、何とかしてクーリングオフをさせないように騙してくるのですね。例えば実際には出来るにもかかわらずこの商品はクーリングオフ出来ないとか、期限を過ぎるまで引き延ばしを計るとか。そういったことも含めて、この手の悪徳商法に対処する方法を教えておくべきでしょう。いやむしろ引っかかる前段階で止められるようにできればなおよし。

悪徳商法でよく狙われるのが、大学の新入生(特に上京したての人)だというのもありますので、それまでに教えておきたいものです。

司法手続き関連

つまり自分が逮捕や訴訟に巻き込まれたときの司法システムの知識ですな。そういう状況にならないのが一番ですが、冤罪とか不条理な訴訟とかいろいろ降りかかってくる可能性はあるので、この手のことは最低限教えておくべきかと。

情報系

ネットリテラシーなど

最近の炎上案件、見ているとどうやらまだ中高生くらいの人が増えているようで。これはネットが広まり、その年代も使うようになったというのが大きいでしょう。しかし我々(昭和生まれくらいの世代)と違って今のその年代が不幸なのは、ネット発展期でまだ失敗しても被害が広がらなかったような状況で試行錯誤して学んできた我々と異なり、最初から広く整った環境があり、失敗するとそれもあっというまに伝播してとりかえしがつかなくなりがちというところです。

これからのネット初心者は自分たちがそうだった頃より恵まれていないのかもしれない
私がインターネットに初めて繋いだのは、1996〜1997年の頃。日本のインターネット黎明期から発展期に移り変わるあたりですね。はじめて買ったWin95搭載機はHDDの容量が3G程度、ペンティアム初代というもので、ネットも当然ダイアルアップ。ガーガーピーピーいう独特の音にドキドキしながらネットに繋いだものです。そしてURLを紙媒体で見つけては打ち込んで、ゲームメーカーなどのホームページに行っていたものです。そこで掲示板というものの存在を知って、やがてそこからセガBBSなるもっと大きい掲示板の存在を知り、さらにそこや他の所からの情報を得てだんだんと世界が拡大していったという感じです。ただ逆に言えば、今と比べるとほとんどどこに行けば何があるって情報がなさすぎたのですよね。ちなみにいろいろな無料の便利なソフトが置いてある「窓の杜」の存在を知ったのも、ネットを始めてからかなり経ってからでした。 ...

高校生ネット利用者の半数「ネット上の情報の正しさを確認する方法が分からない」 -INTERNET Watch

故に、そういったネットについての初心者のリテラシーを義務教育のうちに学んでおく必要があるのではないかと。大前提は、その自分が書いたものはローカルなエリアのみならず世界中に広まり得ること。それ故のセキュリティ意識など。また、ネットの向こうには自分達を何かに巻き込む人もいるが、それから守る仕組みもあるということも。

まあこれが、一番「それをきちんと教えられる指導者がどのくらいいるか」という問題が大きいのですけどね。「子供にネットやスマホを規制して使わないようにしろ」とか根本的解決を先送りというか、遅延させてしまうようこと言う人もいるわけで。

カメラ(撮影)リテラシー(というか情報公開リテラシー)

上のネットと被りますが、トラブルの多くはカメラが原因というのがありますので、それを撮影する場合、公開する場合のリテラシーを教えてもいいのではないかと。

情報取得リテラシー

情報に関するリテラシー。ネットのみならず、メディアに関しても。一番重要なのは、「情報というものはほとんどの場合誰かの意思を挟む」ということ。それが故にその人の意思が大きく反映されるが故、たとえ事実を伝えているようでも必ずしもそれは同じものとは限らない、というものですね。また、それが故にどんな大きな組織だろうと信用を出来る情報なんてないということ。つまりは自分でその情報が正しいか見極める力を持たせることですな。じゃないと最悪、悪意のある都合のいい人に思想や人生も左右されかねないし。

あと、デマの見分け方もね。信じたいものを信じるのではなく、真実を確かめる癖をつけろという感じで(もっともこれは今の大人にも教えたい気が)。

著作権

最近ネットを見ていると、どうも著作権意識が薄い感じのものが多く見受けられ、ネット上に落ちているものは全てフリー素材的な感じに思っている人もいます。おそらくネットが(合法ではないのに放置されて閉っているが故)そういう状況だったのを見てそう認識してしまった人もいるかと。

これは直していかないと、著作権者、そして使う側両方の悲劇になりかねないので、最低限のところだけ、つまり著作権は(コモンズライセンスなどを除き)あらゆるものに存在するということだけでも知っておく必要があるかと。

薬物防止系

まあもちろんこれは現在の教育でもやっているでしょうけど、とりわけ「副作用(バッドトリップ)がどうなるか」という恐ろしさについてはもっとやってもいいかと。できれば昔のACの広告を超える、トラウマになるくらいのとか。

各種行政手続き

つまり何かをするときに公的機関をどう使うか等の知識ですな。届け出とか申請の仕方とか。簡単に言えば役所の使い方。というもこれらってその時になって調べないとわからないことが多いのですよね。冠婚葬祭とか。故に生きていく上で最低限のことくらいは教えるのもよいかと。中学卒業後にすぐに必要になる人だっているでしょうし。

ニセ科学系

最近多い科学に基づかないその手のもの。詐欺や悪徳商法につながるものもあるので教えておくべきかと。一番重要なのは、健康や生命に重大な問題を引き起こす系のものでしょう。

科学というものは、それこそ何千、何万人という人が日々研究を続けて検証しているものであるというものと、目の前で根拠なしに喋るだけの人とどっちが信用出来るか、考えてもらうべきかと。

……まあこれも「江戸しぐさ」とかすでに教育現場に入り込んでいる時点で、結構先行き暗い感じですが、だからこそちゃんと根拠に基づかない科学は信用出来るかということを教える必要があるのではと。

カルト対策

悪徳商法と一部重なりますが。つまりは大学サークルやその他偽装して近づいてきて怪しい団体に入れようとする人間に対しての対抗知識。

オウム事件やがあってからその余波が残っていた我々の年代は、その手の宗教偽装サークルに気をつけろという意識が高まってましたが、20年経とうとしているわけで、当時生まれて鋳なかった子供も大学生です。故にまたこういう並が起きかねないので、今のうちに昔の事例も含めて教えておくべきかと。

ライフライン

つまり、金銭なり病気なり、何らかの都合で生活や生命がまずくなった時に、どうすればいいかという知識。人間、今が健常でも、いつ金銭的健康的にアクシデントが生じるかわからないので、そういったときも最低限生命を維持するための方法を教えておくべきかと。つまりは各種行政や機関の援助、経済面ならそれを逃れるための処理方法とかですね。もともとこの手の福祉って、こういう「誰しもが起き得る」状態で助けを借りて復帰を目指すものと思っているので。

まとめ

他にもいろいろ思いつきそうですが、とりあえずこんなところで。防犯とか性教育(特に妊娠や性病)とかいじめ指導とかその辺はさすがにすでにしっかり教育しているという前提で(まあいじめ問題はむしろ教師のほうにというところも多いですが)。

総じて子供に教えたいのは「世の中にあなたを騙そうとする悪い大人は存在する。しかしながら、それから守ってくれようとする人間や制度も多数存在する」ということを認識させることじゃないかなと思います。