どうすればエスカレーターで歩く人を止められるのか

もうだいぶ前から、各地の駅などでエスカレーターは歩かないようにしようという呼びかけが行われています。理由はもちろん事故防止が主でしょう。しかしながら、このような記事が。

■(archive)啓発10年、右側歩く“悪習”今も 地下鉄駅エスカレーター:愛知:中日新聞(CHUNICHI Web)

これは名古屋のニュースですが、記事によると、エスカレーターを歩かないようにという啓発はもう東京都市部でも続いています。にもかかわらず、右側を歩く「悪習」は続いているとのこと。

では何故この問題が解決しないのか、ちょっと考えてみましょう。

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 エスカレーターを歩く人の心理

まず、どんなときにエスカレーターを歩くのか。単純に思いつくのは「急いでいる時」でしょう。つまり急いでいる人は階段を上り下りするより早いエスカレーターを歩くと。しかし、このエスカレーターの問題、もっと深く考える必要があります。つまり、必ずしもその人が急いでいる場合のみ歩くというわけではないのです。

記事中に、以下のような文章があります。

右側を歩いていた千種区の男性(49)は「後ろから来る人がいると思うと、立ち止まるのをためらう」。特に朝夕のラッシュ時は人の流れが速く、「とても立ち止まれる雰囲気ではない」と話す。

ここが根本だと思います。

つまり、自分がたとえ立ち止まろうと思っても、後ろの人に急いでいる人がいるとプレッシャーがかかってそれができないということ。そうなるとエスカレーターの仕組み上、後ろの人に悪いという気持ちに負けて、歩かざるを得なくなると。

これ、たしかに朝夕の通勤ラッシュでも感じた方が多いのではないかと。極論東京の混雑時間帯は、左側に立っていても後ろからプレッシャーがある感じさえ。

しかしこれの本質的問題は、たとえそこにいる人がだれも歩こうと思っていなくても、現状ではプレッシャーを感じてしまい、歩かなければいけないと思わせてしまうところではないでしょうか。そうなるとどんなに悪習だと言われようがそれを打ち破ることができません。迷信だと思うけどここでやめると祟りが起きそうだ的な。

エスカレーターでの歩行が禁止されているコミケの例

しかし、鉄道会社の言うようにエスカレーターの歩行は事故を伴う可能性があるのは確かです。ではどうやって止められるか。一つの実例から提案をしてみましょう。

年2回開かれるコミックマーケットの会場東京ビックサイトでは、エスカレーターの歩行が原則禁止されています。これは大勢の人数が集まってエスカレーターで歩くと大変危険だからというのが大きいです。ビックサイトでは過去のワンフェスでエスカレーター事故が起こってから、特にエスカレーター歩行に対して厳しくなっています。

ワンダーフェスティバル2008夏、開場直後に人が多すぎて地鳴りのような音とともに4階から1階へエスカレーターがぶっ壊れて逆流、けが人発生 – GIGAZINE

さて、コミケの場合たいていの人がその指示通りエスカレーターで停止しています。それは参加者の意識もありますが、何よりエスカレーターの前後にスタッフがいて、「エスカレーターでは絶対に歩かないでください」と常に声かけをしているからです(そこでよくコミケレポートで見るスタッフ名言が飛び出すことも)。そして歩いたらおそらく直接声を投げかけられて止められます。まあそもそも空いている場合でもなければ、前後が立ち止まっているので歩けないのですけどね。

「悪習」という心理が「(立ち止まると)迷惑」という心理を超えなければいけない

つまりそれと同じで、係員が立って、常に警告を発するくらいしかないのではと。そのくらいして、明確にエスカレーター歩行を「悪習」としなければ、エスカレーター歩行の根本である「後ろの人のためにも歩かないといけない」という心理が止められないのではと。それよりもその行為がまずいと意識させるものは条例や規則などの法規制があるけど、さすがにそこまでいくと、という感じがあるので。

まあもちろん人件費とかそもそも鉄道駅で社員がそれを行って効果があるとか、そのままうまくはいかないでしょう。でも、結局のところ「立ち止まる方が悪い」という(それが実際発せられているかわからない)「プレッシャー」を払拭するには、このように常に声をかけるくらいして、「歩く方が悪習」というのを認知させないと、この問題は収らないような気がします。

エスカレーターを降りた直後の停止も危険

しかし自分としては、エスカレーターの歩行もそうですが、それ以上に最近もっと注意を呼びかけてほしいものがあります。それは「エスカレーターを降りた直後(まだ横に手すりがあるようなところ)に前に素早く歩かないで立ち止まること」。

たまにエスカレーターを降りたとき、スムーズに前に進まずにもたつく人がいます。ここで高齢の人を想像される方も多いでしょうが、自分の経験ではそれだけではありません。子供から大人まであらゆる人がそれをやることがあります。おそらく体力だけの問題じゃないような感じかと。

歩行中、前を歩かれている時にただ遅いだけなら、その人の事情もあるでしょうしガマンすればいい面もありますが(でもさすがにGメン75状態はムカツクけど<オッサンホイホイ)、エスカレーターの場合はそれとは大きく異なります。というのはエスカレーターは動き続けているので、出口となる降り口で立ち止まられると後ろが詰まってしまいます。混雑している時は特に。すると、押された勢いでその前の人にぶつかってしまうことになります。それだけではなく最悪の場合後ろの人にぶつかって倒れ、将棋倒しになる可能性もあるのです。

実際、そうなりそうだったが故に、慌てて立ち止まっている感じの人の横から抜けたことがありますが、もし右側があいていなかったら前か後ろの人、どっちかにぶつかっていたかもということはあります。

ついでに言うと、電車の遅延で西武池袋駅のホームが満杯になり、ホームに誰も入れなくなったのにエスカレーターが動き続けていたため、乗ってる人が出られなくなり、あやうく詰まって将棋倒しになる直前で誰かが停止ボタンを押した現場にいたこともあります。

むしろこちらの防止啓発もしていただきたいのですが、いかがでしょうか>鉄道会社様。その上で、どうしてもエスカレーターの降りたところで素早く歩けない人、そしてどうして他の手段が使えないのかという場合には(おそらく高齢の人とか障碍のある人だと思うが)、またその対策を福祉として考える必要があるでしょう。