児童ポルノ法改正案で一番逮捕の可能性が高くなる層は実は18歳未満ではないか

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継続審議となっていて次回の国会でされる可能性が高くなっているという児童ポルノ法改正案ですが、二次元絵などの表現規制問題とは別に、「児童ポルノの単純所持の刑罰化」というのが問題点のひとつとして挙げられています。

山田太郎議員の入手した改正案資料(PDF)

児童ポルノ禁止法バトル再燃 | 東スポWeb – 東京スポーツ新聞社

■参考:児童ポルノ法改正の何が問題なのか « マガジン航[kɔː]

■参考:児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律 – Wikipedia

単純に考えれば、児童ポルノが広まるのを防止する為でいいじゃないか、となりますし、たしかに児童虐待(これは援助交際など、半ば騙す形で撮影されたものも含みます)で撮影されたようなものが広まるのは児童保護文句的の観点で防止すべきと思います。

しかし、問題はこの建前で、メインの目的であるはずの児童保護に効果が疑問などころか、非常に危険な副作用をいくつも持っているからです。

児童ポルノ法改正案とその数多い問題点

それの可能性として、冤罪や明確に児童ポルノとする判断基準がないことなどが挙げていますが(これはそのうちまとめたいところ)、先日、その問題を先取りしてしまうようなニュースが。

■ 自身の性器画像投稿で16歳少女送検「好奇心があった」 – 芸能社会 – SANSPO.COM(サンスポ)  ※リンク切れ

これを見ると、

 長野県警は10日、自分のわいせつな画像をツイッターに投稿したとして、児童買春・ポルノ禁止法違反(児童ポルノ公然陳列)とわいせつ電磁的記録媒体陳列の疑いで、同県南部の無職の少女(16)を書類送検した。

 送検容疑は、2013年10月下旬から11月上旬ごろまで、自ら撮影した自身の女性器が写った画像を10回ほどツイッターに投稿し、インターネット上に陳列した疑い。

とあり、逮捕容疑が児童買春・ポルノ禁止法違反(児童ポルノ公然陳列)が入っています。つまるところ、自分の身体を晒したために、書類送検されたということです。

児童ポルノを一番撮影しうるのは児童(18歳未満)本人

ここでちょっと考えてみましょう。児童ポルノ写真を一番取り得る人物は誰か。ぱっと見それこそ援助交際で児童を誘い出して撮影するような人や、無理矢理捕まえて撮影するような人に思えるでしょう(前者は主に都道府県の条例、後者は刑法犯)。

しかしそれらよりももっと児童ポルノを撮影しうる存在がいます。もう先のニュースをふまえればすぐにわかるでしょう。それは実際の児童(この場合法律的な意味で18歳未満の男女となります)。だって写すと犯罪になる被写体を、自分が身体として持っているのですから。もちろん男女限りません。

問題は、審議されている児童ポルノ法では、単純所持が違法となる点です。しかも改正案ではこのような自撮りの場合も特に対象外とはされていません。つまるところ、18歳未満の男女が自分の裸体を撮影するだけで、もう児童ポルノ法の単純所持違反要件となり得てしまう可能性が高いのです。少なくとも改正案概要を見る限り、そう受け止めることが出来てしまいます。要件に「性的好奇心」というものが含まれていても、自撮りにそれがなかったか、もしくはそれを配布する意図がなかったかというのは内心ですので証明が難しく、そのまま有罪要件とされる可能性も否定できません。

先のニュースのようなこのような公開を目的としなくても、単に興味本位で撮影したりした場合も含みます。あと、18歳未満でも18に近くなれば、恋人と性交渉に及ぶようなケースもあるでしょう。そこでふと、二人のセックス写真を記念に撮影した場合も、それが児童ポルノ法の単純所持違反として逮捕されうる要件になってしまうわけです。

つまるところ、この児童ポルノ法改正案の単純所持で、一番その製造の可能性、そして逮捕対象となる可能性が高いのは、実は実際に被写体を持つ18歳未満の児童ではないかと思われます

この手の法律の不完全性が明らかになった際には、「運用で改善」というのが常套句となっていますが、実際はそうならず、自撮りをして落としたスマホを誰かが拾って警察に届け内容を確認したら補導、なんて可能性も否定は出来ないでしょう。あと別件逮捕に使われるような可能性も(これは児童に限りませんね。定義や範囲が曖昧な以上特に)。

現行の改正案で児童の権利は本当に守られるのか

児童ポルノ法(現行)の第一条は、定義として以下のようにあります。

第一条  この法律は、児童に対する性的搾取及び性的虐待が児童の権利を著しく侵害することの重大性にかんがみ、あわせて児童の権利の擁護に関する国際的動向を踏 まえ、児童買春、児童ポルノに係る行為等を処罰するとともに、これらの行為等により心身に有害な影響を受けた児童の保護のための措置等を定めることによ り、児童の権利を擁護することを目的とする。

■引用:児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律

そう考えると、現行の児童まで巻き込みかねない改正案は、はたして「児童の権利をを擁護」することに繋がるでしょうか。

未成年の子どもを持つ親御さん達は自分の子どもが児童ポルノを撮影されるような案件に巻き込まれるのを防止したい気持ちはわかります(むしろそういう行為については厳しく罰してよいかと)。しかしながら、法律を先走り、このような問題点を残したままでは、別の形で児童が法律に巻き込まれてしまう可能性があることも考慮されたほうがよいとも考えます。それほどまでに不完全な法律は怖いものなので。

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