空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

出木杉君、花輪君、アナゴくんの中で誰が一番知名度があるか

 知人がこんな話をしてきました。


『サザエさんのアナゴさん、ちびまる子ちゃんの花輪君、ドラえもんの出木杉君、誰が一番知名度があると思う?』


この問い、とりあえず私がぱっと思いついたのは「花輪くんが一番低く、残り二人はどうか」というものでした。しかし何気ないこの問い、ちょっと考えてみるとかなり深く面白いものに思えました。

それを明確にするべく、分析して考えてみることにしました。

これらのキャラの共通点は、「マンガ原作があるアニメに登場している脇役」ということです。ですのでまずはマンガ、アニメ、それぞれの立場からアプローチしていこうと思います。尚、各データはWebサイトやWikipediaの各項を参照しておりますが、細部が微妙に違う可能性もあります。

 

 

マンガについて

さて、まずはそれぞれが登場する漫画についてから分析してみようと思います。

しかしここで問題を複雑にする要因が発生します。実はアナゴさんはマンガ原作には登場しない、アニメオリジナルのキャラクターなのです。つまり、前提の命題においては、マンガ的要件は考慮から外されてしまうのです。ですので以下のサザエさんに関する情報は、アナゴさんには適用されなくなります。

  • サザエさん……主に朝日新聞紙上で連載。1946年から掲載誌を変えつつ1974年まで断続的連載。全6477回。単行本は全68巻(姉妹社版)。
  • ドラえもん……主に小学館のコロコロコミック、学年雑誌(小学1〜6年生)を中心に連載。1969年〜1993年(藤子・F・不二雄氏の死去による絶筆として)。45巻+大長編+未収録単行本『ドラえもん+』(現在5巻まで)全1433話。
  • ちびまる子ちゃん……少女漫画誌『りぼん』にて1986年から1996年まで連載。今も不定期連載中。単行本15巻。


話数だけ見ると、ドラえもんが圧倒的に有利ですね。まあ掲載誌に学年誌(原則小学1年〜6年しか読まない)が多いので、その分の読者数は減ると思われますが、それでも優位に変わりはありません。

もし、サザエさんが考慮に入っていたとなれば、新聞媒体という相当の部数を誇り、且つ普段漫画やアニメに興味のない人にも目に入るものでしたから、状況はかなり変わっていたでしょう。

ちなみに、花輪君は外伝的作品『永沢君』にも出演しますが、これは本当に脇役なので、知名度を上げているかどうかは微妙なので考慮にあまり含まないこととします。


仮にこれから先を予想するとなると、やはり作者(さくらももこさん)が存命中のちびまる子ちゃんが圧倒的に強いと思われます。


アニメについて

では、次はアニメについて。これには全員出てきますね。

ちなみに視聴率の差というのも考慮に入れるべきか考えましたが、どれも20%まで行ったことのあるアニメで、歴史も長いので、「知っている」という点においては、数%の変動はそれほどの差が生まれないものと判断し、あまり重要視しないこととします。(というかこのデータを集めたらそれこそ収集がつかなくなりそうだし)

  • サザエさん……1969年から放映、現在まで
  • ドラえもん……1973年に日テレ版、1979年からテレ朝版が放映され、現在に至る
  • ちびまる子ちゃん……1990年〜1992年。一度間をおいて1995年〜現在。

 

放映期間では皆さんもおわかりだと思いますがサザエさんが一番、続いてドラえもん、開いてちびまる子ちゃんと続きます。

ちなみに花輪君については最初の1990年から出てたのを記憶していますし、出木杉くんも私の記憶では1980年代初めからは確実に登場しているはずです。(アナゴさんはさすがに生まれていないのでわかりりませんが、Wikipediaのサザエさんの登場人物の項]では「70年代中期頃には既に登場しており」と書かれています)。


ここでひとつアニメにはアナゴさんにとってプラス要件があります。それは「火曜再放送」。サザエさんは1975年から1997年まで火曜のゴールデンタイムに数年分遅れの再放送がされていました。おそらく、キー局のゴールデンタイムで再放送をしていたというきわめてレアな事例でしょう。
つまり、この期間は放映が2倍となるため、目の触れる機会も増えたわけですね。

 

全体に話を戻しますと、放映期間で最長のサザエさんがさらに倍になり、圧倒的にサザエさん有利になります。
そして次にドラえもんとなりますが、やはり20年に満たないちびまる子ちゃんは一歩出遅れるでしょう。


それぞれのキャラの作品内立場

さて、一番重要な「それぞれのキャラの作品内での位置づけ」について語りましょう。尚、だいたいこれについてはアニメもマンガも同じ感じと判断したので、同時に語らせていただきます。

  • アナゴさん……主要人物(マスオさん)の同僚で、会社シーン、アフター5シーンでの登場が多い。
  • 出木杉くん……主要人物(のび太)のクラスメイト。で、恋愛、勉強における比較対象。(ただし、メインメンバーからは1歩外れる)将来の世界では、かなり重要な位置づけになることもある。
  • 花輪君……主人公のクラスメイト。直接のつながりは男女の違いがあるのでクラス内だけだが、クラスのシーンではまず出てくる。

 

私の考えではここで一番重要なのは「出木杉君」だと思います。理由は「彼がいないと、作品にかなりの支障をきたす」から。

彼はレギュラーメンバーから外れるものの、おそらく現在においては一方的な恋のライバルであります。つまり、彼がいないとしず(か)ちゃんとの未来は障害がなくなり約束されてしまうために、一部の話が成立しないのです。

さらに未来のび太が描かれる回では、かなり多く、それこそジャイアンと同じがそれ以上に登場しているように思えます。


花輪君もいい脇役ですが、原則たまちゃんのような遊び相手ではないため、話の本筋に関わることがスレあまりないため代用がきいてしまいます。それにもし今回の検討対象が丸尾君でも大差ないなあと思ったのですが(ひどい)。

ちなみに、アナゴさんと花輪君でどっちが重要かとなると、おそらくは「クラスの金持ち」と「同僚」の代用の効かなさの差で、花輪君有理かと考えます(アナゴさんは、同じくマスオさんの友人的立場であるノリスケさんが上にいるのがネック。作品でも休日のプライベートのつきあい描写があまりない)


ただ、ここでの命題は「作品内の重要度」ではなく、「全体的な知名度」なので、これらの重要順はあくまで命題の一要素にしかなりません。

 


私の結論

これらを考えた結果、マンガ分のアドバンテージが出木杉くんにあると思ったので


1位 出木杉くん
(僅差で)
2位 アナゴさん
(ちょっと離れて)
3位 花輪くん

と、自分の中ではさせていたこうと思います。


しかし、これらはあくまでも私個人(昭和50年代生まれ)の現在から見た話です。おそらく世代間ではそれぞれのアニメ、マンガ視聴に合わせて差があるでしょう。特にこれからの世代では最下位にしたちびまる子ちゃんの伸びがほかの2つよりも大きいと予想されますし。

同年代間でもそれぞれ好き嫌い、印象に残っているシーンなどで違う意見が出ることでしょう。私の場合、出木杉くんの重要度を多く加味した結果となっていますが、存在感など直感的な部分を考慮すると、やはり唇のインパクトでアナゴさんが有利になるでしょうし。


他に加味できる要素といえば前述の視聴率の他、「映画」(ドラえもんが有利そう)、「CM」、「ドラマ」といったところでしょうか。まあゲームもあるけどあまり材料にはなりそうもないので。

 

ちびまる子ちゃん (1) (りぼんマスコットコミックス (413))

ちびまる子ちゃん (1) (りぼんマスコットコミックス (413))