Wikipediaも2ちゃんねるもソースがなければ信頼性のなさは同じ  

この前のエントリーで、Wikipediaについてもだけ触れました

伝言ゲームで根拠ない情報が本当のように語られ連鎖する現象について
「安全ピンで耳にピアスの穴開けたら白い糸が出てきた。それを引いたら目が見えなくなった」という都市伝説を聞いたことのある人はかなり多いのではないでしょうか。私はこれを中学生時代に聞いたのですが、その時に語った人(たしか女の子)は「友達から聞いて、その友達が実際にそうなった」と言っていた気がします。しかしこれを聞いた時に「それが神経なら耳が千切れたら神経が切断されるから目が見えなくなるはずだよな。なら何で『耳なし芳一』とか他にも実際に耳が千切れた人は目が見えるの?」と思いついて言いましたが、「本当にそうなんだから」と押し切られた記憶があります。まあ私の当時からの空気の読まなさはともかくとして、ここでは何故か「伝聞」が「真実」として語られていたわけです。

そこで書ききれなかったことを今日は書いてみようと思います。ちなみに海外のWikipedia事情はよくわからないので、これは日本のWikipedia限定で。

現在、Wikipediaはネットユーザーのかなり多くの人に閲覧されていると思われます。あまりネットに詳しくない人とネットについて話す時も、「Wikipediaで調べてみたら……」と、Wikipediaのことについて知っている人、使っている人は私の身の回りではかなり多くいました。これはいくつも要因が考えられると思います。まずはとある特定の事項を調べるにあたって、非常に便利であること。その単語をWikipediaで検索すれば、求めている答え「と思われるもの」が一瞬で表示され、疑問を解消することが出来ます。もしくは「出来たように思います」。

もちろんWikipediaがなくても、検索すれば答えと思われるものにたどり着くことは出来るものは数多くありますし、そうしている人も多いでしょう(当然Wikipediaにもその他の検索結果にもない情報もありますが)。しかしそれらに対してのWikipediaの強みは、情報がまとまっているところではないかと。つまり求めている情報の単語を入れれば、そのまま出てくることが非常に便利であるが故、それを利用するのではないかと。あと、すぐに情報が出てきて、しかもそれの内容がリンクしているってのは、読んでいて楽しいのですよね。Wikipediaにはじめて遭遇したあたりでは、趣味の単語を検索するのにハマリこんで時間を潰しまくった人はかなり多いのではないでしょうか。

最近ではGoogleなどで検索すると、Wikipediaの項目がトップや2〜3番目に出てくることも珍しくありません。おそらくはWikipediaの利用者がそれだけ増えた結果、検索結果も上がったのだと思われますが、それ故Wikipediaに掲載されている情報も「検索結果が上なのだから」と信頼性が高くなっている面があるのではないでしょうか。

数多くの情報が書かれているサイトとしては、他にもいろいろなサイトがあります。中でも2ちゃんねるはその書き込まれた情報の量はかなりのものがあるでしょう(当然無駄なものも多いですが)。しかし、2ちゃんねるで、他からのソースのない情報をそのまま検証せずに信じてそれを書いたり話したりした場合、その信頼性はかなり薄い、と思う人がほとんどではないでしょうか(余談ですが、よく2ちゃんねるでは政治とかでコピペやかなり無理矢理な発言が度々書かれることがありますが、あれは味方が相手を攻撃するためにやっているのか、それとも敵が相手を痛い人間と思わせて、信頼性を落とすためにやっているのか、わからなくなる時があります)。しかし、2ちゃんねるがそうであるならば、Wikipediaも同じ事が言えるのではないでしょうか。何故なら、2ちゃんねるもWikipediaも原則として誰でも書き込むことが出来るから。

Wikipediaは、原則として(一部保護されたものを除いて)誰もが書き込むこと、編集することが出来ます。つまりその意味で、本質的には2ちゃんねると同じなのです。ただ、Wikipediaに書かれている情報は、2ちゃんねる等に比べてその情報に対して間違えていた場合など修正が行われることもあるので、その情報に対して一定の信頼が置かれているように思えます。しかし、いくらWikipediaであろうとも、その情報の根拠となるものがない限りは2ちゃんねるで書かれていることと差はないのです。

この、「ネットにおいてソースがないものは信用出来ない」というのは鉄則のはずであるのに、ついWikipediaだとたとえ同じ事が書かれていても信じてしまうということはあり得るのではないでしょうか。なんというか、Wikipediaに書かれていることをソースとしてしまう感じ。でも、前述のようにWikipediaは2ちゃんねると同じく誰でも書き込めて編集出来て、当然真実と証明されていないことも記述できるわけです。これはネットに疎い人だけではなく、ネットにそれなりに詳しい人もそうなりがちのように思えます。私も思わずWikipediaに書かれていることをその場では信じてしまい、あとで調べ直すと違っていた、ということがありますから。

何故Wikipediaは信じられてしまいがちなのかというと、おそらくはWikipediaに掲載されている情報の大半は本当だからではないかと。載っている情報はかなり調べられているものもあり、きちんとその情報ソースが記してあって、信頼性のおけるものも数多くあります。数々の編集がなされていることからも、正確な情報の方が多いのでしょう。しかしだからといってどんな情報も信じてしまいそうになることに落とし穴があります。何故なら100のうち99で本当のことを書いてあったとしても、残りの1が本当である証明とはならないので。詐欺師のは人を騙す時、実は嘘はごく一部で、それ以外を本当のことで塗り固めるというテクニックが使われるそうです。つまり、「○○で映画が無料」とか「△△で誰誰が儲けた」という嘘ではないことをその証拠と共に言って、その情報の信頼性を高める。で、最後一番ユーザーにとって不利なところで嘘をついて、そこで騙すと。あえてその不利なところに触れないことも多いですね。まあWikipediaと詐欺師をいっしょにするのは失礼でしょうが、結果としてそのように本当の情報が皮肉にも真実ではない情報もソースなしに信頼させてしまっている面もあるのではないでしょうか。

ちなみに私の知人もWikipediaで項目が出来ているのですが、そのページでは経歴のところで思い切り間違えているところがあります。しかし、その情報は関係者しか知り得ない情報であるので、手をつけるのは憚られるのですよね。故に放置してあるのですが、そうなるとその経歴は真実ではないにもかかわらず、嘘というままそこに掲載されていることになります。しかし、それを知らずに見てしまった人の中には、その情報を本当のものとして信じてしまう人もいるでしょう。この傾向はWikipedia内のいろいろな所で見られます。特に企業や人物の項目ではその企業や人物が詳細に書かれていることがありますが、公表されたはずのないことまで書かれていることも見受けられます。中には開発体制とか、内部の人しか知り得ないようなものについても。もちろん雑誌のインタビューなどがソースとなる場合もあるでしょうが、中にはソースの付記がない場合も多々あります。ということはその情報は当然信頼度が低いわけです。しかしこれらをそのまま信じてしまっている人もいるのではないでしょうか。これがまさしく前回書いた「伝言ゲームで根拠のない情報が本当のように語られてしまう現象」となってしまっているのではないでしょうか。

伝言ゲームで根拠ない情報が本当のように語られ連鎖する現象について
「安全ピンで耳にピアスの穴開けたら白い糸が出てきた。それを引いたら目が見えなくなった」という都市伝説を聞いたことのある人はかなり多いのではないでしょうか。私はこれを中学生時代に聞いたのですが、その時に語った人(たしか女の子)は「友達から聞いて、その友達が実際にそうなった」と言っていた気がします。しかしこれを聞いた時に「それが神経なら耳が千切れたら神経が切断されるから目が見えなくなるはずだよな。なら何で『耳なし芳一』とか他にも実際に耳が千切れた人は目が見えるの?」と思いついて言いましたが、「本当にそうなんだから」と押し切られた記憶があります。まあ私の当時からの空気の読まなさはともかくとして、ここでは何故か「伝聞」が「真実」として語られていたわけです。

この嘘情報が入り込むのは、記述している人が単純ミスをしたこととか思い込みで書いたことが実は間違っていたなど、悪意がない場合もありますが、反面悪意によって事実とは違うことが書かれる場合もあります。つまり、「工作」ですね。これはWikipediaが2ちゃんねる同様ネット上の情報取得手段としてメジャーになってしまったからというのもあるでしょう。すなわちここで載っているから信じる人も多い、ということで、嘘を書き込む人がいると。

■参考:

CGMサイトが拡大してゆくことで悪意を混入させてしまうジレンマ
このようなエントリーがありました。■なぜユーザー参加型サイトは人気になるとつまらなくなるのか - watanabiの日記現実のコミュニティーはそこに不必要なものに対して排他的なのに、多くのCGMサイトではインターネットのオープンな性質上それを排除するシステムが整っていないため、人が増える度にその不必要なものを抱え込んで、最初から所属していた人にとってつまらないものにしまうということですね。■参考:Consumer Generated Media - Wikipedia

たしかに「編集」とか「保護」のしくみがWikipediaにもありますが、膨大な項目全ての確認がなされるわけではないので、編集合戦→保護とならないような項目の中には、嘘のまま表示されているものもきっとあるでしょう。

今日はWikipediaについて書いてきましたが、ソースがない情報の信憑性なんてものは、はてなキーワードなど類似のサービスのみならず、ブログやホームページなど、誰かが書き込む事が出来るもの全てに言えるのです。いや、インターネットのみならず、全ての情報媒体どころか、人の発言にも言えるでしょう。結局のところ、全ての伝聞情報は、自分が体験したものでない限り(場合によっては体験した時も)100%信じられる情報なんてものはないと思うのですよね。上ではソースのないものが信頼出来ないと書きましたが、極論そのソース自体も絶対的に信頼出来るかという保証はないでしょう。

与えられる情報が常に正しいものなんて存在しないわけです。かといって全てのことを信じないわけにはいきません。ですので、どんな情報であれ、それが本当か「考える」という姿勢を持つことが、ネットでも実生活でも大切ではないでしょうか。

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