のび太は実はかなり起業向きスキルを持っているのではないか

いきなりですが、『ドラえもん』においてのび太は学校を卒業後、起業しているのをご存じでしょうか。こう書くと、えっ? と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ちょっと考えればどなたも知っていると思います。それは簡単で、ドラえもんがのび太の時代に来た理由はセワシの家が貧乏だからですが、その原因はのび太が会社を潰してその借金が22世紀にも残っているからですよね*1。会社を潰した、ということは、つまり起業しているわけです。

学校卒業後というのは、第一話で、未来から来たドラえもんとセワシに未来のアルバムを見せられるというシーンに以下のようにあります。

『藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん』1巻・P23より

『藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん』1巻・P23より

『1988年 しゅうしょくできなくて自分で会社をはじめ……』と読み取れます。つまり、学校(おそらくは隣にあるのび太大学落第の写真との比較から、大学卒業後だと思われますが)を卒業後、就職口がなかった為に起業したということなのですよね。で、この会社は後に潰れますが、その原因は1993年の会社の火事と考えられます。つまり逆に言えば、5年間は持っているわけです。後のコマに、『1995年 会社つぶれ借金とり押しかけ記念』のコマもあるので、もうちょっと長いかも。

このように倒産して莫大な借金は残すものの、それなりの期間は会社を経営できていたのです。*2。さて、この倒産の原因は火事なわけですが、これがなければ倒産していなかったか、というと、個人的にはそうは思いません。というのは、こっちの未来ののび太は、子供の時とは別の意味でかなりダメな方向に育てられてしまっていると思われるからです。前にも書いたのですが、この一話ののび太の両親はかなり甘く、連載中期以降の怒鳴るママとは対照的です。しかしそれがのび太をダメにしてしまった原因でもあると思われます。例のアルバムの写真でも、大学に落ちて励ますならともかく、しゅうしょくできなかったから起業したというのも自発的なものではなく、どうやら親の出資のように思えますし。つまり子供の時の出来ない、成績が悪いとは別方面のダメさが備わってしまっているとも見えます。となると会社も長続きしなかったでしょう。

■参考

『ドラえもん』においていつも怒っているイメージが強いのび太のママだが、連載当初は甘々な母親として描かれていた。その変化について。

余談ですが、『ドラえもん』第一話は1970年発表なのに、1988年起業、1993〜5年倒産と書かれています。その時代は現実でもバブル後期に起業で、バブル後の不況期に倒産ということなので、偶然でしょうがかなり現実にあり得るところだったのかもと思ってしまいます。

では、ドラえもんが来て、そして親が甘やかさなくなり、しずちゃんと結婚する未来ののび太のほうですが、本編を見る限りあまり詳しく書かれていませんが、どうも会社員のような感じです。ではそののび太が起業していたらどうなっているか、というのは気になるところではないでしょうか。

そういえばのび太は本編でもドラえもんの道具を使って商売みたいなことをやることはよくありますよね。で、たいていは欲の書きすぎで失敗するのですが、たまに成功したりもしています。思うにこのような行動を起こせるということは、たとえドラえもんの道具がなかったとしてもかなりの才能なのではないかと思うのです。

まず、とある便利な道具を与えられた場合、そこだけで満足をしてしまうのが普通の人でしょうが、のび太の場合そこからさらに先を考えます。それらはドラえもんから教えられた商売方法ではなく、自分で思いついたものがほとんどです。中にはドラえもんが思いつかなかったような発想を持ち出すこともよくあります。たしかにドラえもんの道具というアドバンテージはあるでしょうが、子供の頃からそれを思いつくというのはかなりのものですよね。この発想力は起業したとしてもかなりの武器になるのではないかと思うのです。しかしそれで読みが浅くて、または何か想定外のことが起きて失敗するのがパターンとなっています。しかしそれでも何度もトライをする行動力もまた武器ではないでしょうか。ケースにもよりますが、いくつかの失敗の中から成功するモデルが出せるのだったら、それで十分通用すると思われるので。

というか、のび太はテストの点は悪いけど、このあたりの発想力(これは自作のあやとりを構築できる力などもありますね)はかなりのスキルを持っていると思われます。故に、ドラえもんが来た未来のほうで起業したら、それなりにうまくいくのでは、と思ったりするのですね。というか、ドラえもんが来る前ののび太もこの発想力はあったとは思うのですが、行動力、決断力が甘やかしによって育たなかったのでは、と思うのです。

『ドラえもんは』、実はダメなのび太をドラえもんが道具で助けているようなものに見えますが、たまにみられるのび太の成長シーン(おばあちゃんのおきあがりこぼしを見た話など)からもわかるように、のび太の成長物語的要素のほうがわりと強いと思われます。そして上のように考えると、例の商売もその一つなのではないかと思えるわけです。

つか、あやとりや射撃みたいな人からはくだらないと思われるスキルがあり、昔はテストの点は悪かった、発想力豊かな社長とか、現代にもIT系あたりに実際にいそうな気がするのですが。

ドラえもん 1 (藤子・F・不二雄大全集)
ドラえもん 1 (藤子・F・不二雄大全集)

*1:まあここでは「どうして相続(負債)放棄しなかったのか、という疑問も出てきますが、それはそれとして。

*2:ただ、『ドラえもん』が学習雑誌連載だったために、この有名な第一話の他にも学年誌版の第一話が存在しています。それによると、会社クビ→その5年後に宝くじが当たって起業→1年後に倒産してそこで莫大な借金というようにもなっています。しかしここではF先生が選んだと思われるてんとう虫コミックス掲載の第一話に沿うことにします

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