既存の理容店と低価格カット理容店は棲み分けが出来ると思う話

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こんなニュースが巷で話題になっていますね。

■低額カット店に洗髪義務付け、「意味あるの」反論も…群馬 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) ※リンク切れ

まあ、委員会でも早急な対処は必要ないとされているのにこのようになっているというのは、はてブとかで言われているように、既得権益保護でしかないのでは……と思えるところもあります。ただ、正直これは実際には法が制定されても大きな効果はないように思えます。おそらくは店舗の椅子を一台潰して、そこに洗面台を設置するだけのような。で、実際には使わない洗面台が増えるだけで、特に変わりはないという感じ。そこで洗髪を強制化するのは難しいでしょうし(もし強制化したら、それこそ家庭内で髪が切れなくなることになってしまいそうだし)、そこまでしたらいくらなんでも若い人は他県に逃げかねませんし。まあ、改築のための工務店と配管屋が得をするだけになるんじゃないかと。ま、この辺「建前」を使い分けるってのは、日本では昔からよくある感じですね(でも、ここで1000円理容店がそれを逆利用して「簡易シャンプー」みたいなのも1000円で用意して、既存理容店のシェアをますます奪う可能性というのもないわけではないかなあと思ったり)。

まあそれはともかく、今たしかに低価格カット店が増えてますね。都内をうろつくとQBハウスほか、いろいろなその手の店が増えています。さて、これらの店の特徴としては「安さ」がありますが、実はそれだけではないと思うのですよ。まずよく言われることですが、「10分」という時間。休みの少ないサラリーマンなどは、日曜に床屋や美容院に行って1〜2時間かかるのもめんどくさいという人が多いでしょう。特に洗髪の入らない人や髪型にそんなにこだわらない人にとっては。あと、私の場合はあの理髪店の狭い椅子に長時間そのままの体勢で座っているのが辛いのですよね。私はずっとPCの前で仕事をしているのですが、使っている椅子は背もたれが動いてストレッチできるたいぷのものです。こういうのじゃないと、ずっと座りっぱなしというのは肩が凝って仕方がないのですよね。しかしだいたいどこも理髪店の椅子の大きさや固さはエコノミークラス的なもの。これは1000円カット店でも同じですが、10分なら耐えられるという感じ。自分はこれが一番理由として大きいかなあと(ちなみに肩マッサージしてくれる店というのもあるので、洗髪コミでやってほしい時はそこに行ってます。耳かきもしてくれるし)。あと、美容師の人とのコミュニケーションが苦手って人もそれなりに多いのではないかと。

こう書くと、なんだか既存の理髪店、とりわけカリスマ美容師とかとは縁のない普通の床屋などは衰退の一途を辿るしかないと思われますが、私はそうは思いません。というのは、まだ既存の町規模な床屋が出来るサービスはあると思われるからです。そう思ったのが、まだ普通の町床屋に行っている父が、床屋から聞いた話。

最近、床屋が休みな月曜は仕事をしているとのこと。それは何かというと「訪問散髪」。つまり、出かけることが出来ない、もしくは難しい高齢者や要介護者などの家に直接行って、カットするらしいのです。ちなみに身内でも介護されている人がいて、美容院の人が2ヶ月に1度くらい訪問看護をしてくれるのですが、うちの自治体の場合は介護保険か障害者手帳を持っていてそれで申請すれば500円でカットしてくれます(ちなみに来てくれるのは、理髪店が休みな月曜)。実はこれ、かなりありがたいサービスなんですよね。というのは介護している人にとっても連れて行く手間が省けますし、特に一人暮らしで介護が必要な人なんかはありがたいサービスではないかと。さらに、一人暮らしの人の場合、介護サービスで上限がある巡回が1回分増える面もあるので、それもよいのではないかと。あと地元の馴染みの床屋だったら、会話もできますしね。

しかしこれはどうも理髪店にとってもわりと割がいい面があるようです。それは多くの場合、この手のサービスは自治体から補助が出ていること。先ほどカットは500円(うちの自治体では実は年に6回まではこの値段)と書きましたが、あと数千円は自治体から当然補助(保険)が出ているのです。値段は聞きませんでしたが、話の筋から普通に店でカットするくらいの割はあるみたいです。あと、前述のようにカットだけなのですが、これは訪問を受けた側にも理容師にもありがたい場合が多いようです。というのは、介護を受けている人は、床屋のような体勢を維持できない人も多いらしいのですよね。故にカットのみ短時間となるのですが、そうなると丁寧にカットしたとしても時間効率がいいこと。床屋を見ていればわかりますが、案外洗髪そのものより洗髪の準備に時間がかかっているのですな。お湯の温度調整したりタオル用意したりと。まあ、うちは都内で移動が簡単というのもあるでしょうが、決して拒否したいものではないとのこと。まあこれは理髪店の人がそこそこ年配の人で、地元に馴染んでいるのもあるでしょうが(このへん一人の人からの伝聞なので、実際回っている他の理髪業の人にも聞きたいところです)。

こういった面で新しい需要が既存の理髪店には出来ているのではないかと。介護系は今でもあるでしょうが、「訪問して欲しい高齢者」を対象にすれば、保険の援助がなくて普通料金+α程度でも、需要があるのではと。特に毎回連れていっている人がいる家庭とかではかなり大喜びでは。まあいまでもある出張サービスを、顔なじみのある既存の理容店が当たり前のようにやってみては、という話です。
QBハウスは理髪業のブルーオーシャンに突入したことで有名になりましたが、既存の床屋もこういった地元密着のタイプで需要があると思うのですよね。そしてそれらは1000円カット店では手が回りきらない所じゃないかなと。つまり、低価格カット店と既存の床屋や美容院は棲み分けが出来ると思うのです(そういえば最近増えすぎって言われている歯医者も、「訪問診察します」って出ているところあるなあ)。

ですので、最初のように妙な条例をひくのではなく、介護の名でそういった方面に対して力を入れればよいのではと思ったりしました。それだと自治体の援助も大義名分が出来るし、実際介護を受けている人とか高齢者も助かるでしょうし。
逆に、洗髪を義務化とか施設が必要とか言い出すと、こういう可能性まで首を絞めてしまうことになりかねないと思うのですが。

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