「女の子にビンタされる店」は何故生まれたのか考えてみる

こんな話題が。

秋葉原に女の子がビンタしてくれるお店が10月4日からオープン|デジタルマガジン
おい皆、「女の子にビンタされる店」ぐらいで驚いている場合じゃないぞ:カフェオレ・ライター

これで「女の子にビンタされる店」などが話題になっていますし、その他にも膝枕とかパジャマとかはては脚で踏まれるとかが紹介されています。

さて、これを見て「どんな需要があるんだよ」「なんてこんなニッチなとこに突っ込むんだよ」とお思いの方も多いでしょう。しかし、これらが何故生まれたのかを考えると、メイド喫茶始めこの手のオタク向け接客サービスというものの本質っぽい部分が見えてくる気がしたので、ちょっとそれについて考えてみようと思います。


まず、そもそもメイド喫茶はじめこういったオタク男性向け接客業は何故あるのかということについて考えてみますと、大きな要因のひとつとして『ロールプレイ』とか『シミュレート(疑似体験)』みたいなものがあるのではないかと。つまりメイド喫茶なら、自分にメイドがいるという仮想状況を楽しむとかいう感じ。メイドに接待してもらうというのは、現実的には非常に困難な部類に入ります。だけどメイド喫茶に行けば、その体験が出来るわけです。つまり、このメイド喫茶事態がそのような疑似体験欲を満たすための産業と言えるわけです。これは何もその世界にどっぷりはまり込む、ということではなく(もちろんどっぷりはまり込む人もいるでしょうが)、わかっていてそういう状況を楽しむということですね。もちろんメイド喫茶に行き慣れた人なら別の楽しみ方が生まれているかもしれませんが、とりあえず根本はこの疑似体験欲があるのではないかと。

で、最初の女の子にビンタされる店に話が戻りますが、これも疑似体験の種類と考えるとある意味納得できるところがあります。すなわちメイド喫茶がメイドとご主人様という世界観をロールプレイするところだとすれば、これは学園を疑似体験するところだということ。学園生活は当然学生でなければ出来ません。というかそもそもギャルゲー的シチュエーションを体験できる人なんぞほとんどいないのです。だけどここではそれができると。前にメイド喫茶だかコスプレ喫茶だかに自作の台本を持ち込んで、それを演じてもらう人がいるという話を聞いたことがありますが、そこまで明確ではなくても、需要の根本はギャルゲーでよくあるような「学園」をロールプレイするところではないかと。そうなるとギャルゲーのシチュエーションとしてある女の子にビンタされるというのは需要があるのかという疑問はあるにせよ、お菓子とか弁当作りと並んで存在すること自体はさほど不思議ではないのかもしれません。
これはナース膝枕でもパジャマで会話でも同じで、要は現実ではあり得ない、もしくは達成困難なものの疑似体験でしょうね。パジャマ会話なんてのは、おそらく修学旅行でのノリでしょうし。


でも、この疑似体験を望む願望、及びそれに答える産業というものは、メイド喫茶などのオタク男性向けのものだけではありません。まず、女性には有名な執事喫茶がありますね。それに一般男性向けにも、昔からこういったものはあったのではないかと。それはすなわち「イメクラ」のようなもの。こちらは風俗産業になりますが、このようなものが生まれたのは、やはり人間にある疑似体験の欲望が、風俗産業に持ち込まれたからではないでしょうか。前に鈴木みそさんの『オールナイトライブ』でのオタク系イメクラの取材の回で読んだのですが、こういった風俗にも自分の好みのシチュエーション台本を持ち込む人はいるとのこと。

イメージクラブ - Wikipedia

突き詰めると、キャバクラやホストクラブなんてのもそういうロールプレイ的な要素はあるかもしれません(営業が全く混じらない接客業はまずないだろうし)。でもそう考えるとちょっと前に出たゲームソフト『ドリームクラブ』なんてのは、ロールプレイを疑似体験しているということになるのか??

DREAM C CLUB(ドリームクラブ)(特典無し)


ただ、疑似体験はいいのですが、ここで多くの人がツッコミをいれたいのは「需要あるのか?」というところではないかと。脚で踏まれるとかさっぱりわからんし、それ以外のにおいても、メイド喫茶に比べていきたい人がどのくらいいるかなあと。ただ、こういうものが作られることになったのは、おそらくオタク系接客業が頭打ちなのがあるのではと。メイド喫茶に来ていた人も、だんたん飽きて離れていったとか。で、前述のように新しい疑似体験分野を求めて学園とかナースとかパジャマとかが出てきてると。ただ、それらの需要はどんだけあるかは微妙なところですが(特に脚踏みってのは作品で見るだけならともかくリアルでってのは少ないような気がするんですけど……)。まあ、ある意味頭打ちのオタク系接客業の試行錯誤で当たればでっかい、ダメだったら次みたいな感じなのかなと思ったりします。もしかしたら「女の子にビンタされる」ってのも、本気で頼む人がいて設定したのではなく、ネット上で話題にするために仕組んだワンポイントって要素も強いのかもしれませんね。
あと、メイド喫茶の場合おそらくこれだけ長い間需要があるってのいうのは、そういったロールプレイ以外の何かの楽しさを生まれさせたのかなとも思います。つまりそういったものが新しく生まれたものにも出来ればいいのかもしれません。


さて、こんなことを書きましたが、実は自分、この手の店に殆ど行ったことがありません。というかメイド喫茶に1回行った程度。いや、当然女の子嫌いというわけじゃないですよ。でもどうせ女の子と話すなら飲み会などで普通に会話した方が面白い感じなのですよね。なんというかこういうロールプレイ的なのがあまり楽しめないのかなと。そういえばゲームでも主人公名はデフォルトか適当な関係ない名前つけるタイプだし関係あるのかなあ……。つーか料金表見て近くの喫茶店の1.5倍の値段にショックを受けたというケチなだけかもしれませんが。
でも、似たような考えでメイド喫茶とかあまり行かない人、それなりにいそうな気がするのですよね。つまりこの手の人を誘い込める接客業があれば、わりと需要が出来るのかなと。となるとどんなのがあるのかなあ。女性と一緒に飲み会が出来る居酒屋とか? って、それただの合コンやがな。……でも今のアキバだと本当にそういうのが出来そうですなあ。