「続きはWebで」手法にはリスクが伴ってくるだろうと思った話

ここ数年、テレビCMでは検索エンジンに自サイトに誘導できる検索単語を表示し、誘導しようとする「続きはWebで」の手法が当たり前のように使われています。いや、テレビCMだけではなく、ラジオのCMや雑誌の広告、それに番組でも使われている所を見かけますね。たしかに15秒なり30秒なり一定の時間やスペースしかないCMなどに対して、そこからWebに誘導できればはるかに多い情報を提供できるので、広告をする上で非常にメリットが大きいというのはわかります。ちなみにこの検索単語を表示するという方法、CMではURLなどネットに繋がるような表示が2秒以内に抑えられていたために、長いURL文字列よりも一瞬で覚えられる検索単語表示になったという話をよく聞きます(もちろん検索エンジンが一般化したのもあるでしょうが)。

しかしこの方法、使われはじめの今まではよかったのですが、この手法が今後も広がってくると、それに伴って生まれてくる問題があるように思えるのです。

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常に検索一位でいられるか

さて、「続きはWebで」という広告を企業は打ちます。これは検索エンジンでおそらくは一番になり、そこから誘導されることを期待しているのでしょう。しかし、検索順位は常に変化します。そこで出てくる疑問は、その広告を打った企業が、そのまま検索一位を保てるのか、ということ。しかもその検索単語は、CMなどによって広まったことにより、いわば多くの人がその検索単語を打ち込む可能性がある「価値ある検索単語」になる可能性があります(もちろんその広告の力に比例するでしょうが)。となると、そこと今まで関係がなかったサイトが、集客力のあるその単語で一位を狙いたくなるのは自然と言えるのではないでしょうか。

しかも検索エンジンはgoogleだけではなく、Yahooもありますし、PCにそんなに馴染みのない人はIEのデフォルトになっているMSN系を使っている人もそれなりにいると思われます(さすが百度とかJ-WORDは極少数派だろうからいいとして)。つまり3つの検索エンジンで1位でいないとならないとなると、その企業のWeb担当者(SEO担当者)はかなり気を遣うことになるのではないでしょうか。

もちろん大企業とかならそのあたりは対策を練っているでしょうが、最近はそういったCMの手法を真似たのか、小さな会社や地方特産系のものでもそういったものを見かけることがありますが(CMというよりは主に雑誌とかかな)、そういったところはちゃんとしているのか、ということを疑問に思うことがあります。

2位でも3位でもそれなりに価値がある故の便乗

さすがに、1位を狙うのはその広告主が有利でしょう。しかし、そういったその他のサイトにとっては、必ずしも1位は必要ないのではないかと。というのは検索をするとたいていページで表示されますが、最低でも10項目くらいは表示されます。つまり、それなりのSEO対策をして10番目(できれば2番目か3番目)くらいに表示されるようになれば、便乗的に広告効果を狙いたいサイトはOKなのではないかと。

さて、関係ないところがただ乗りするくらいならそんな問題はないにしても、問題はこれにより広告を打ったサイトにどう影響するか、ということです。例えば一位の自分のところの下にライバル企業が来た場合、自分が費用をかけたにもかかわらず、敵に利してしまう可能性もあります。いや、そうじゃなくても現在もよく見ますが、情報商材など人によってはあまりよい印象を与えないサイトが10番以内に上がってくることがあります。

余談ですが、Timestepsのほうは「ジンバブエ」で検索するととうとう5位にまでなってしまいました。でもエントリーの内容はハイパーインフレですし、印象固定しているようなそんな感じ(まあジンバブエに至ってはうちがどうこう言うまでもなくアレですが)。

■参考:
timesteps.net

「検索ゴロ」の可能性

2000年前後の時、使いそうなドメインを先にとっておいて、あとでそれが必要になった企業が買いに来るのを待つといった行為がよく行われていました。おそらくはアメリカで企業がかなり高額でドメインを取得したことからでしょう。まあほとんどは高額で買われることはなく無駄な保有となり(一部、相場なりの価格で売れた物はあるようですが)、不当取得ということで裁判により譲渡せざるを得なくなったケースもたくさんあります(まあこの裁判も若干問題のあるとおもわれるものもあるのですが)。そういえば日本語ドメインでこれ狙って損した人ってやっぱりいるのかなあ……。

■参考:ドメイン名紛争とドメイン名紛争処理方針

で、この時のドメインが、現在の検索単語に置き換わらないか、ということです。さすがに先に占有するには文字は無限大であるので非効率極まりないですが、とある広告が打たれた検索単語を狙うのだったら、出来る人は出来るのではないかと。前述のようにさすがに1位は無理だとしても、5位やそのあたりだったら出来ないとは言い切れません。

そして、中にはその商品についてネガティブな要素など、広告にふさわしくないことを書く人が出てこないとも限りません。もちろんそれが正直な評価だったら仕方ないとしても、もし意図的にその商品の売り上げを落とすためにわざとそれを仕掛ける人もいるのではないかと。で、それは誰かに雇われたり、もしくはそれを止めさせるために間接的に金銭を要求したりとか(広告とか法に触れないように)。そういった「検索ゴロ」みたいなのが出てこないとも限りません。まあそれだけのSEOスキルがある人なら、普通に働いた方が儲かるような気はしないでもないですが。

まとめ

今まではCMなどで限られた企業しかこの「続きはWebで」を使ってこなかったので、あまり問題は起きていなかったように思います。そして問題はせいぜい検索の下位にネガティブな評価のものが来るくらいだったように思うのですが、この手法が一般化してきて、SEOの技術がないところまで使うと、こういった乗っ取り的なことが行われるようになってくるのではないかと思われるのです。

とはいえ、おそらくブログではてなダイアリーのうちみたいなニッチなページを見るくらいネットにSEO担当者の人は、今日書いたようなこともすでに予想している人は多いと思うのですよ。で、すでに対策も練っていると。問題はそれをとても予想し得ないのに、「続きはWebで」を使う人。そしてそういう人や団体が増えているのではないかと。

まあさすがにこういった行為が多くなってくれば、SEO担当者だけではなく、検索エンジン側が対策を打ってくるでしょう。しかし広告方法として「続きはWebで」が広まれば広まっただけ、その検索エンジンが側の対策を乗り越えてさらに上位に載るための対策を打ってくる人は多く出てくるでしょう。SEO対策って、ぶっちゃけそういうもののいたちごっこだと思いますし。

そういうことを乗り越えて「続きはWebで」の手法が長く続いてゆくか、それとも上のような問題点が顕在化してきて廃れるか、はたまた検索エンジンの力と共に廃れてゆくか、または「続きはWebで」と表示するメディア自体が縮小されてその必要がなくなっていくのか。これに限らず、技術の進歩に伴ってネットを使った広告ってのは、まだまだ変化し続けるのでしょうね。

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