空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

「アラフォー」って言葉は、意外とこの先生きのこるかもしれないと思った話

いきなりですが、去年の流行語大賞を。

 ■新語・流行語大賞

『グ〜!』ってのは、今では一発芸で使うと寒い部類に入っているような。というかもう12月の時点でかなりアレになっていたような気もするのですが。

 ■参考:流行語大賞を受賞したお笑いがその後落ちてゆく理由 - 空気を読まない中杜カズサ

あと、『蟹工船』とか『埋蔵金』って、流行語でも何でもなく、昔からあっただろというツッコミもしておきます。『上野の413球』も、これは流行語の範疇に入らないような気もするし(盛り上がりではなく、これを口に出して言う言葉ではないだろという意味で)。

つか、流行語大賞って受賞の時には騒ぎますけど、その後大半は正月後の干支よりも早く忘れさられますよね。ましてや誰も使っていないのに、いきなり作られたっぽいものは。

 ■参考:「アベする」が流行らなかった理由を言語面から考えてみる - 空気を読まない中杜カズサ


しかし、この中で今までにはなかったのに、意外とこの先生きのこるんじゃないかなあと思っている言葉があります。それが「アラフォー」。

この言葉、流行語大賞に選ばれた時には、ネット上では「しらねー」という人かかなり多かったように思われます。どうやら出典は女性誌とかドラマあたりらしいですが。

「アラフォー」 - 時代を読む新語辞典 - ビジネスABC
アラフォーとは - はてなキーワード

これが受賞したのは、この層が重要なマーケティング層と見なされている面もあると思われます。つまり、ある程度金があり、そして溜め込むまでもなく使ってくれそうだとマーケティングをしかける側が思っている層ということ。故にそこをクローズアップしてマーケティングを展開し、金を吸い出そうとしていると考えられます(まあそれにその年代の人が乗ってくれるかどうかは別問題として)。そのためか、今でもマスメディアではわりと使われているところを見ます。


さて、従来のパターン通りならばこのようにいきなり出てきた言葉は今だけ重点的に使われ、その後忘れ去られるはずですが、正直私はこの言葉が以外に長期間生きのこるのではないかと予想しています。その理由は、この「アラフォー」という言葉の意味するものが、既存の言葉では補いづらかったものかもしれないので。

アラフォーの定義は前述の通り40代周辺のとりわけ女性です(最近では男性でも使うことが出てきましたね)。さて、「アラフォー」という言葉が生まれる前、この層を指す言葉はそのまま「30代」「40代」とか「昭和○○年代生まれ」という数字的なもの以外では何だったかと考えてみると、ぶっちゃけた話「おばさん」「おじさん」くらいしかなかったのではないでしょうか。あえて言えば「オールドミス」とか。ただ、これらの言葉は、現代においてはあまり肯定的な意味合いとして使われることはありません。特に女性では最大限の侮辱と感じる人がいてもおかしくないでしょう。これは元来は否定的な意味合いはなかったものなのに、長い間にそれがまとわりついてきたものだと思われます。

この年代について書こうとするとどうしてもネガティブ要素を含まない言葉が出てきづらい(それは世代がネガティブという意味ではなく、言葉が引っかかるものが多いという意味で)。故に数字交じりのものを使っていたのでしょうが、数字を使うものは言葉としてなんとなくスマートではありません。ましてやマーケティングに使うものとしては。しかし今回生まれたアラフォーという言葉は、今の時点ではその要素は低いものだと思われます。故に「おじさん」「おばさん」等の嫌われる言葉に対して、「アラフォー」の需要がそれなりに存在して、今後もある程度は使われるのではないかと思ったりするのです。ある意味「アキバ系」なんて言われるようになったのも、「オタク」に変わる需要があったからかもしれません。

で、マーケティング的な理由で行くと、そのうちまた50代周辺を指す言葉とか、高齢化社会が進んでゆくと「老人」や「高齢者」に代わる言葉が生まれてくるのではないかと思ったりします。


ただ、新しい言葉が生まれたとしても、使われ続けているうちに否定的な意味合いを帯びてくる可能性はあります。そうしたらきっと、また新しい言葉が生まれるのかもしれません。
ま、でもこれらの中には真相から目を逸らすために使われるという危険性もあるので、その表面的な言葉にまどわされず、その本質を見極めることが必要でしょうね。