選挙の集票活動はネガティブ広告にもなり得るのではないかと思う話

以前、『マイナス効果広告』についてのエントリーを書きました。

『ネガティブ広告』は存在するのかしないのか – 空気を読まない中杜カズサ

実はこれ、もうひとつマイナス効果広告、つまり広告をすることでかえってマイナスになるものがあるのではないかという例が出てきたのですが、その時には書きませんでした。ではそれは何かというと、おそらくもうすぐ非常に大量になされるであろうものです。いや、もうなされているかもしれませんが。それは『選挙』の広告。すなわち集票活動。

選挙前になると、今までにはほとんどなかった政治家の選挙区民に対する活動、すなわち集票活動が始まります。これはほぼ全ての政党において、形はいろいろあれどその行動がなされますよね。主なものとしては、公示直前までのポスターや選挙カー、挨拶回り、支持者の戸別訪問(公職選挙法に抵触しないように)、電話でのアピールなど。これはおそらくはだいぶ昔から行われていることが続いているのだと思えます。

しかし、今まで経験はないでしょうか。静かに生活しているところに「○○を宜しくお願いします」と大音量の選挙カーが来たり電話がかかってきたりして、迷惑に思ったこと。そしてその時に「ありがたい」と思わず「(この忙しいのに)迷惑」と思う人はいるのではないでしょうか。そして、そう思った人に対して、投票をするでしょうか。

これは前から不思議に思っていました。何故苦労をしてまで不快な思いをさせて、自分の得票をマイナスにする行為を行っているのかと。で、それの理由がこの前書いたことなのですよね。つまり、何はともあれ名前を覚えてもらわないと始まらないので、そのリスクを背負ってでもそうすると。つまりここでは「嫌われる」というデメリットよりも「名前を覚えてもらう」というメリットを上に見ていると言えるでしょう。

さて、これがメリットになるかデメリットになるかは正直わかりません。ただ、一昔前ならともかく、現代の、特に各首長選や国会議員選挙では、時代遅れの方法になっているようにも思えるのです。

まず昔はこういった騒ぎが起きること自体が珍しかったために、多少うるさくても許容範囲内だったかもしれません。また、訪問も好意的に受け取る人が今よりは多かったと思います。しかしながら、現代では騒音は許容できず、訪問や電話もその目的がしっかりとわかってしまったためにウザイと思うようになった人が多くなってしまったのではないかとも思えるのです。これは選挙前のポスターも同じで、多くの広告の中にそういうものが貼ってあると、逆に景観を損ねると思っている人もいるのではないかと。特にこの手のポスターって、わりと剥がし残しがありますしね。

それでもたしかに地方議会議員や都道府県議会議員選挙のように、多数から選んで、その票の上から当選みたいな方式ならば、対象となる立候補者は多くて、全員の名前を覚えきることが難しいものではどんな形でも知られる必要があるわけで、嫌われるリスクがあるとしても名前を連呼してまず覚えさせることは効果があるかもしれません。これは昔の選挙制度、すなわち中選挙区制でも同じようなものだったと思えます。前回の参院選もまあギリギリそうだったとしましょう。しかし、各首長選挙や現在の衆議院選挙、いわゆる小選挙区制では、まずその選挙区における候補者の数というのはそんな多くありません。だいたいが定数1に対して泡沫候補も含めて2〜6人くらいでしょう。となると、選挙に行く意思のある人は、たいていその名前を覚えていると考えてもよいのではないでしょうか。
そうなると「名前を覚えてもらうためにひたすらアピールする」というメリットは薄くなると思えるのです。つまりここでは「覚えてもらう」はとっくにクリアされているので、「好かれる」、そして「嫌われない」ほうが重要ではないかと。こうなると、前述のように嫌われる可能性がある行動は逆効果ではないかと思えるのです。地方はどうかわかりませんが、人の結びつきが弱めの都市部ではその傾向が強いと思われます。

こう考えると、選挙での集票活動というのはかなり時代遅れではないかとも思えるのですよね。まあ同じようなことを30年くらい続けているのだから、当然と言えば当然かもしれませんが。

しかし、それはおそらく選挙活動をする側にもある程度わかっていると思えます。しかしそれでもそのようなことが行われているのは、おそらく選挙においてのアピール方法が限られているからではないかと思えるのです。たとえば広告ならば最近はネットがよく使われますが、選挙でネットを使うことは公職選挙法によりアウト、もしくはグレーとなっている部分が多いように思えます。故に今までの堅実な手段を使うしかないと。

しかし、ネット上での活動なんてそれをしているかどうかがかなり曖昧なのですよね。例えば自分のサイトの宣伝などはダメでも、匿名でクチコミのようにあちこちのところに「○○はいいよ」という工作行為を行うこと、つまり自作自演は出来てしまうのですし(まあ本当にそれが効果があるかはわかりませんが)。
おそらく、現在の選挙はこの矛盾を抱えていると思うので、ネットにおける選挙活動についてもうちょっといろいろ整えないと(というか現状に則せば定義を明確にして緩くする方向かな)いけないような気がします。

まあ何を況んやと言うと、今度の選挙はどの政党もやかましく訪問とか電話とかしてこないでくださいねと思ったりするのです。結局のところ、誰がいいかは人の意見ではなく、自分で調べて自分で考え、それで答えを出すべきだと思っていますので。

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