逆チョコ戦略は失敗だったのか

今日はバレンタインデーでした。で、今年から『逆チョコ』という言葉が出てきましたが、ネット上でも、そして実生活でも知る人は「なんだこれ?」、知らない人は「何それ?」といった反応で、素直に受け入れた人は少なくとも私の回り、そしてネットの書き込みでは見ていません。もちろん全く別の生活圏やネットゾーンもあるのでないとは言いませんが、テレビで言われているようにそこまで一般的にはなっていないという感じはします。
以前バレンタインについてはちょっと書きましたが、逆チョコについてはちょっと触れただけなので、それについてもう少し考えてみたいと思います。

後付けて書くのはちょいと卑怯ではありますが、これはどう見ても「今年の売り上げ的に見れば」失敗じゃないかなあというのは見ていてわかりました。それは、需要面においても広報戦略においても。それについて思ったことをちょっと書いてゆきます。

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いきなり出てきて、ブームの仕掛けがバレバレだった

最近、節分に恵方巻きというのが出てきて、コンビニなどで売られています。これは一応大阪方面に根拠があるようです(だいぶ違った方向に行ってますが)。まあそんないわれはどうでもよく、需要があるからそれなりに流行るかもしれないというのは以前書きました。

■参考

しかし、今回の『逆チョコ』はいきなり1月後半に言葉が出てきて「えっ?」と思った人は多いのではないかと。そして、それを辿っていくと全てマスメディア。ブームの場合最初に仕掛けがあって、マスメディアで紹介されて広まる場合も多いですが、それはやや回りで知っている、街で見かけるなど土壌がある場合でしょう。しかし今回、それが皆無といっていいほどでした。故に仕掛けがバレバレで、男性はもちろん女性も冷めてしまったのではないかと。
まあやるならうまく騙せ……というかノセればいいのに、それが出来なかったと。

ただ、仕掛け側の視点に立って見てみれば、そもそも何も根拠のないもののブームを、この短期間で起こすというのが困難だったと思われます。よくある流行を起こすものならば、何ヶ月も前からその仕掛けを行って、うまくいけば実を結ぶでしょう。しかも所要時間が決まっていないもの(いつ流行してもいいもの)ならばどうにかなる可能性も高いでしょう(まあランバダになるものもありますが)。

しかし、今回のようにある日付で決まっているものは、その日あわせで動かなければいけません。つまり今回の場合は、2/14までに『逆チョコ』を定着させないといけないわけですが、前準備期間がほとんどなかったのではという感じ。かといって、まさか去年の12月からバレンタインの話題を植え付けようとしても、鬼が笑う以外の何者でもありません。今(2月)から梅雨対策の話題をするようなものです。

ま、ネットが普及して「本当に流行っているか」というのを話し合えるようになったのも大きいのでしょう。

そもそも必要ない

男性にとってはこれが一番大きいでしょう。バレンタインで言われていたことで、男性にとって告白はいつでもできるのに、女性からはしにくいからバレンタインに、というのがあった感じです。すなわちその必要がないと。さらにホワイトデーもあるし。

バレンタインというイベントの内容がすでに完全固定されている

もうひとつ、これが流行らなかったのは「バレンタインは、女性から男性にチョコを送る日」という定義が固まってしまったからではないかと。これはそれをひっくり返すことになります。つまり「ひな祭りは男性の日でもある」とするくらい無理があったのではないかと。

そもそも、この「全く逆にする」と言うこと自体、危険と思われます。なぜなら、バレンタインデーは女性のイベントであるから女性にとっても価値があるのに、それに男性を踏み入れてしまうことになり、そのプレミア感をなくしてしまうから。なんというか、前述のひな祭りで言えば、それを男性がやったらそのプレミア感が何となく薄れる感じがしないかという感じ。あと、ホワイトデートの整合性がとれなくなるんじゃないかと。

男性が2/14にチョコを買えるか?

昔から、2/14にチョコを男性が買うのははばかられる空気がありました。それは上のような「女性のイベント」感が強いことで、底に入り込めないから。もしくは買って自作自演していると思われるとか。特に今年は逆チョコが定着してないので、仮にやろうとしてもその意識が強く働いて買えなかったのではないかと。まあそういうのに抵抗ない人はいるでしょうが、そういう人はそもそも逆チョコをきっかけとする必要あまりなさそうだし。

まとめ

こんなところでしょうか。要は対象とする人たちに需要が全くなかったと。

もしかしたら、男性が女性からの行事的プレッシャー(『逆チョコ』をバレンタインデーに渡すのは当たり前だから渡せみたいな空気にさせる)で渡さざるを得なくなる展開を考えてマーケティングを仕掛けた、という可能性もありますが(まあホワイトデーの3倍返しもそんな感じだし)、少なくとも1年でそういう空気にするのは、日本女性のチョコに対する欲がとてつもなく強くない限り無理がありすぎるのではと。

ただ、そもそも何でこんなのを仕掛けたのか、というほうが気になります。前に今年はホワイトデー含めて土曜、来年も同じく2日とも日曜だからと書きましたが、そんなのは数年前からわかっていることですし、理由とはなりにくいでしょう。

考えられるのは、これは数カ年計画で、来年も同じく『逆チョコ』を仕掛けてくるのではないかということ。つまり恵方巻きみたいに、数年かけて馴染ませると(『逆チョコ』にいわれはないけど、バレンタインだってそもそもあまりないし、ホワイトデーは言わずもがな)。

あと、これはあくまでネタ的仮説ですが、この手法を既存型マーケティングの見直しに使ったのではないかと。すなわちこれだけ大々的に宣伝してダメなら、マスメディアを使ってブームを起こす手法がもう効果がないと判断し、ほかの手法に変える根拠とするために仕掛けたのではないかと。かつてとあるメーカーがCMを減らしてそれを販促費に充てたなんて話聞きましたが(俗に言う花王ショック)、それの製菓会社版みたいな感じ。もしこっちが正しいとなると、来年のバレンタイン系CMの量に影響する可能性もあるかもしれません。

しかし、もしブームを起こすなら「友チョコ」、つまり女性から女性に送るチョコのほうを押し出したほうがよっぽど売り上げが上がったような気がするのですが。なぜならそれなら「逆チョコ」よりも似たようなものは存在しているようなので、メーカーがお墨付きを与えればシェアも広がるだろうし、。で、なんだかんだ言ってみんなで集まって食べて、自分で買ったもの食べられるケースが多いでしょうし。ま、ノリとしてはクリスマスの女性だけのパーティーみたいな感じで。

いくつかの会社では逆チョコ用の製品を作ったみたいですが、それらが明日からほかのバレンタインの売れ残り同様、ディスカウントショップの大安売りカゴにどれだけ入っているか、というのがどれだけ成功したかの、失敗したかの判断材料になるかも。まあ味は同じだろうし、好きなら買って食ってもよいのではないかと。あ、でもバレンタインの売れ残りが男性に買いづらいように、そういったのは女性に買いづらいかもなあ。

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