『コミックチャージ』休刊で見えてくるサラリーマン向けマンガ誌の苦境

コミックチャージが休刊みたいです。このブログが現在の名前になったばかりの頃に創刊のことを書いていたので、ちょっと寂しい感じもします。

コミックチャージ 創刊号

『コミックチャージ』創刊
ちょっと所用で池袋まで出たのですが、その時に駅の構内で『コミックチャージ』なるマンガ誌の創刊アピール用のブースが出来ていました。せっかくなので買ってきました。ちなみに写真の時計は、その時の抽選会で当たった時計です。

しかし、無料の『コミック・ガンボ』はじめ、『コミックヨシモト』、『COMICジャンク』と、あの頃サラリーマンあたりをターゲットにして創刊された雑誌がほぼ全滅という感じですね(ちなみにほかは1年持たなかった)。

■参考

『コミックガンボ』の敗因を考えてみる
無料のマンガ雑誌として話題になった『コミックガンボ』が休刊のようです。それと同時に発行元も業務停止みたいです。■コミック・ガンボ:発行元のデジマが事業停止 負債総額2億円 ※リンク切れそういえば同じ頃に創刊された、『コミックヨシモト』も休刊しましたし、「ナニワ金融道」の新作などが載せられて同じような雰囲気がしていた『COMICジャンク』(あおば出版)も廃刊&出版社が倒産してしまいましたね。

以前、ほぼ全てのジャンルで定着雑誌が埋まっているマンガ雑誌において、サラリーマン向けが可能性がある、というようなことを書きましたが、そのためには『ビックコミック』シリーズに並べるくらいに10年以上時間をかける必要があるのではないかということを書きましたが、残念ながらそこまで持たなかったようです。

『コミックヨシモト』が中年層向け漫画誌だった理由を考えてみる
月末、本屋の隣にあるATMに並びながらぼーっと漫画雑誌を見ていると、自分が手に取ったことがあまりない雑誌も数多く並んでいました。そして、1月前にはここに『コミックヨシモト』があったなあとか思い出しつつしみじみと。 しかし、何故『コミックヨシモト』が若手芸人目当ての年代ではなく、中高年向けの漫画ばっかり載せて発行したのか、謎でした。しかし、帰ってきてちょっと調べてみると、ある納得できる理由が見つかったのです。

そこまで育てられなかった理由は、雑誌に有力な連載作が揃ってなかったのもあるでしょうが、それに加えて出版不況、さらには実社会全体の景気後退が影響しているのはあるでしょう。

しかし、今思い返してみると、もうひとつこの手のサラリーマン向け雑誌というのは、大きなハンデを背負ってしまったように思います。それも以前エントリーで触れたことにおいて。

マンガ雑誌の売り上げを減少させた一因と思われる通勤・通学スタイルの変化
昔の通勤通学には新聞や雑誌が必須だったが、その通勤通学環境の変化がマンガ雑誌の売り上げを減少させた一因になったのではないか。

ここにおいて、キオスクのような駅のホームですく雑誌が買える場所の減少、そして必ず持っている上、場所的に邪魔にならない携帯電話でのコンテンツ閲覧が、新聞やマンガ雑誌から購読者を奪ってしまったのではないかということを書きました。そして、マンガ雑誌の中でもこの影響を一番受けてしまったのが、サラリーマン向け雑誌だったのではないかと思うのですよね。

少年誌なら大人も読みますが、一応文字通り少年など学生層が対象です。しかしサラリーマン向けの主要層は文字通りサラリーマン。で、そのサラリーマンはどこでその雑誌を読むか。もちろん家に持って帰って読む人もそれなりに多いと思われます。しかしこの層では他のマンガジャンルに比べて、駅売り、つまり一昔前ならばキオスクなどで買って通勤途中に読むというケースが、他と比べてかなり多かったのではないでしょうか。

しかし前述のように現在、電車内でのスタイルは携帯購読かなり増えていると思われますし、そうなるとお金もかかり、買う時間もかかり、しかも荷物になってしまう雑誌はつらいと。で、その影響が出てしまった面もかなりあるのではないかと思われます。同じことは『ビックコミック』のシリーズにも言えるでしょうが、あれはすでに30年以上続いているものもあり、読むことが週刊となっている人もいるので、その強みがあるのではないかと。ただ、創刊2年の雑誌にはそれがなく、折からの出版不況もあり、休刊せざるを得なくなってしまったのかなあと思ってしまいます。

同じ理屈で考えると、夕刊紙、すなわち『夕刊ゲンダイ』や『夕刊フジ』なんかも、かなりピンチになってきている可能性もあります。しかもこちらでは輪をかけて、主要購読層がどんどん退職して電車を使わなくなりますし。

ちなみに今だとキオスクに代わり、コンビニ、とりわけ本部の仕入れ決定が雑誌の明暗を分けるのかもしれません。何せセブンイレブンだけで1万店舗以上、それ以外を合わせると2万以上になるみたいですし。そして最近ではコンビニオリジナルコミックや書籍も増えていますし。そう考えると、案外次に出版社が狙ってくるのは、芳文社や双葉社などが得意とするようなファミリー向けとか、実話系を狙ってくるかもなんてことを思ってしまいます。実際にコンビニ行くと、この手の雑誌の棚占有率ってわりと多い。中には『まんがタイム』や『まんがホーム』などの系列全部入れているところもある。余談ですが、うちの地域では『まんがタイムきらら』の4誌が置いてあるのは、半径数キロにおいて本屋含めてコンビニ1件しかありませんのでそこの独占状態です(アニメ化作品もけっこうあるのに)。たしかにファミリー向けとはちょっと違うけど、いくらなんでも少ない。どっか仕入れて。

でも、あるジャンルに偏るとまた飽きてくるでしょうし、そればっかりっていうのも何ですので、サラリーマン向け的なものも頑張ってほしいなと思います。

ともあれ、『コミックチャージ』、おつかれさまでした。新しく創刊されるものに期待しています。

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