空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

社会人を経験して一番得たものは『不条理』を学べたこと

今はフリーライターと書いて略してフリーターな私ですが、一応新卒で会社勤め経験もあります。まあ、正直に言うとそこは今で言うブラックのようなもので(まあこれも人により基準が異なるので自分以外はそうではないとも言えますが)、2年弱くらいで退社して、いろいろいろいろいろいろ経験しつつ今に至るのですが、それでもブラックでも会社員の経験をしておいてよかったと思うことはあります。

その理由としては、それぞれの仕事の専門スキルはもちろんですが、それ以上に社会人として『社会のルールを学べる』『仕事においての人間とのつきあい方を学べる』『責任学べる』等々、どの職種でも共通している部分が大きかったです(もちろんプログラムの思考は、その後新しいツールを使う時やデバッグにも役だったりしましたが。そして今ブログをやっているのも、当時Webについて学んだのも役に立っていると思う)。

しかし、今思って一番大きかったと思うことがあります。それは『不条理なこと』が社会には溢れているということ。そしてそれに対して向き合わなければならないということ。

ちゃんと仕事をしたのに何故かその評価がなされていなかったとか、全然悪くないミスを押しつけられたとか。もうマンガでもマンネリになるくらいの話です。しかし、このような不条理なことというのは思いつかない方法でいきなり降りかかってくることが多いです。もうこれから先具体例を挙げてゆけば、今日のエントリーがこのブログ史上最長になるくらい。

正直、大学のバイト時代にも社会のルールや人間とのつきあい方、それに責任も薄いものではありますが、一応学ぶことは出来たのですよね。ただ、このような不条理はないとは言いませんが小さかったとは思えます。というのは、学生時代はその不条理に対して避けることもできました。バイトなら辞めるとか、人間関係ならそれなりに距離を置くとか(逃げるってのは、ある意味不条理を条理に戻すものかも)。ただ、社会人になると、そして仕事ともなると、その不条理に対して逆らうことが出来ないことというのが格段に増えてくるのですよね。で、はじめてそれを経験した新卒の頃は、非常に苦しみました(まあ他の会社ではそんなことはあまりなく、ここがブラックっぽかったからかもしれませんが)。

ただ、それも今思うと役に立ったとは思えます。それは相手にも立場があること。そしてその行動は自分にとって必ずしも思い通りに、論理的に働かないこと(自分に不条理に思えても、相手にとってはそれが条理と思っているらしい場合は多々ある)*1。そして、そんな状況が生まれる可能性は多分にあること。ある意味、身に覚えのないトラブルもこの中に含まれる要素があると思います。つまり、そういうものが発生する余地があり、且つ避けられない場合があると。ま、もしかしたら学生時代にいろいろ活動していた人の中には、卒業してから経験するのおせーよ、と言う人もいるかもしれませんが、その人の言うことが正しいか違うかは、人によってその不条理の感じ方が違うので比較は出来ません。ただ、自分の場合は新卒時にそれを経験したということで。

ちなみに不条理を全部受け入れろ、というわけではありません。でも世の中に不条理なことがあると知っていれば、それに対しての予防策を練ったり、それに遭遇した時の対処法を考えておくことが出来るのです。それが今、仕事をしていて一番得たものかなと思うのです。今でもたまに不条理は降りかかりますが、なんとか対処したり消化したりしています。たぶん。

あと、これに内包されるものとして『(仕事においての)本音と建て前を学べる』というのもありましたね。これもすべてのことを受け入れると、後で不条理を引き起こす原因になるので、よく考えなくてはいけないと。


こう考えると、あのブラックな期間もちゃんと得たものはあったのだなあと思います。あと、反面教師となるものも。

ただ、だからといって新卒予定の学生にブラックでも無理に入れとは言いません。マジで命に関わる場合もありますから。新卒予定の人はこれからしばらくまた苦しい時期になりそうですが、会社の調査はしっかりとしておいたほうがいいかもしれませんね。まあ結果としてつまづいた私が言っても説得力ないかもしれませんが。しかし仮につまづいても、生きてはゆけますので。私くらいには(……最後の言葉は決定的な絶望を与えたような気もするけど、まあいいか)。


◆追記
「新卒の時に経験したこと」を技術含めいろいろ挙げていこうと書いていたら、何故かこんな文章になっていた。

*1:おそらく自分の条理活動の中でも、誰かにとって不条理を与えた可能性はないとは言えないでしょうね