空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

学生時代にコンサートの裏方バイトをしていた時のことをちょっと語ってみる

ゲームミュージックなブログ』のほうで書きましたが、I'veのコンサートに行ってきました。で、ちょっとしたことでリハーサル段階から入ったのですが、そこでまだ会場内で作業をしているスタッフ見ても思い出したことがあります。実は私も10年前くらいの学生時代、こういったコンサートの裏方バイトを何回かしたことがあるのですよね。

たしか契機は下り坂の時代でしたが時給は900円程度でまあまあだったので受けてました。というのはこのバイト、フルで入った場合非常に拘束時間が長いのでかなりお金になるのですよね。あと、当時筋力を仕事で鍛えるという目的もありましたので、この手の肉体労働に入りまくりました(ほか古本屋とか接客とか模試の監視員とかも色々しましたけど。ちなみに当時は派遣とかはまだ一般的ではなかったので、大学とか学生センターというところで紹介してもらう感じでした)。

で、思い出したのでちょっと語ってみようと思います。ただあくまで10年前、さらに下っ端バイトとしての立場ですから、今の専門の人から見るとツッコミ受けそうですが、そのあたりは一例として見ていただければと。

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イベントの1日

まず、だいたいのイベントは大きく分けて搬入→設営→各種準備(リハーサル)→客入場→本番→客退場・撤収という感じで進行します。

搬入

バイトの場合多くはそのイベントを行っている運営会社に雇われます。そして搬入(搬出)のみのバイト、もしくはコンサート中の接客(兼警備)のみのバイトというのもあります。これはこれで時間が短いので学校帰りとかに入れられて便利。ただ、今回はわかりやすくするため、1日全部入った場合のものを書いていこうと思います。

朝早く集合して作業着に着替えるとトラックが到着し、次々と荷物を下ろしてゆきます。それは舞台設営用の大道具から証明などの機材、楽器が入ったケースなどいろいろ(場所によっては椅子とかもかな)。それを指定箇所(主には舞台)に運び、全てを終えるとそこからそれを組むための手伝い。もしくは開封した箱をほかのところに持って行くという感じ。ちなみに一番凶悪なのはミキサー卓で、アレは精密な上に非常に重いので、何人もが手伝って慎重に運びます(しかも歩く場所が段差だからまた気を遣うんだよね……)。

ちなみにコンサートのスケジュールは決まっているため、遅れは許されません。ですので、時間との勝負になります。故に偉い人でも率先して搬入や搬出といった力仕事にに加わることもけっこう見ます(さすがに公演者は怪我させちゃまずいからないですけど)。

設営

で、運び終えたものはそれぞれのプロの人(たとえば照明スタッフとか)がセッティングしてゆきます。バイトとしては雑用と配線手伝いくらいでしょうか。ああ、あと掃除もありますね。

準備

で、ある程度セッティングが終わると、今度は舞台演出や音響などさまざまなテストに入りますが、それでは下っ端は休憩……というとNO。まだ仕事があります。まず、コンサートに行くとパンフレットとそれにチラシが挟まれて配られますが、あれを封入するのも仕事。つまり一枚一枚挟み込んでいくわけですね。で、それをコンサートの来場者分ですから、かなりの量になります。ちなみにこのあたりでホール内はリハーサルが始まっています。場合によってはそっちの手伝いをすることも。

弁当

作業の進行により変わりますが、この時点でだいたい午後。ちなみに弁当は用意してありますが(私の場合は弁当付きだった)、時間がない場合は交代で食うのが10分以下ということも。

客入場

さて、そんなことをしているうちにもうすぐ入場となります。すると持ってきた背広に着替えて(着替えるイベントスタッフ用の控え室はだいたい狭い)、接客の用意。いろいろ分かれますが、もぎり、入場でのパンフレット配り、客誘導などをします。あと、カメラや録音機材の注意とかも。当時はカメラ付き携帯はなかったのですが、今ならきっとそれも注意していなければいけないでしょうね。

公演中(客席管理)

で、いよいよ公演ですが……実はここが一番辛い。というのは立ったままスタッフは舞台に背を向けていなければばいけないのですよ。それはあくまで目的は飛び込んだり撮影をしている客の見張りなので、舞台の方を向くと仕事が出来ないから。つまり音楽だけ聴いて2時間以上立ちっぱなしなのですな(それにだいたいはたいして知らない人のコンサートだったし)。ちなみに警備の人は別にいる場合もあります。あとコンサート中も舞台の袖なりに待機していて、幕間に大道具を運ぶ場合もありました(これは監督役の人の割り振り次第)。

撤収作業

さて、終わって客を退場させている間にまた急いで着替え、撤収開始。ここは明け渡し時間に遅れたら大変なので、迅速に行動します。具体的にはバラしたものをどんどん運んでゆくという感じ。で、用意してあるトラックに搬入してゆきます(もちろん積み込む順番はあります)。で、それと同時に客席、舞台の掃除をして、やっと終わりという感じ。

トータル14時間やそれ以上のことも

前述のように搬入、搬出のみというのもありますが、フルコースではこれだけあります。朝7時か8時に集合で終わるのが10時くらいのことが多かったので、14時間コースですね。この手の仕事はコンサートの客から見えない、というか基本的に見せないほうがよいので、あまり知っている人はいないと思われます。ただ、優雅に見えて裏方は限られた時間でかなり大変な作業をしているということを知っておくと、ちょっとだけイベントの見方が変わると思います。


ちなみに今はどう変わっているのか、そしてどこで募集かけているのかはわかりません。私の場合は学生センターから紹介してもらったイベント会社で搬入の仕事をしたら「定期的に来ない?」と言われて何回かやった感じですが(学生センターは一応学生でもOKなように審査があるので安心できた)。でもまあ基本肉体労働なんで、バイト求人か派遣なのかな? ま、機会があって信用できるところなら、やってみてもよいのではないでしょうか。ただ、基本肉体労働ということを覚悟で。