テレビがアニメに対して優しくなる日は来るか

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このようなニュースがありました。

キー局まで広がった“パチンコ広告依存”:NBonline(日経ビジネス オンライン)

パチンコのCMだよりになるほど、テレビ局にCMが集まっていないというニュース。

さて、パチンコのCMが増えたのは、

TBSでは4〜9月期のスポットCM売り上げ実績で、「化粧品・トイレタリー」業種が前年同期比16.2%の大幅減。「食品」や「自動車・輸送機器」などテレビCMを多く流す業種でも、軒並み2ケタ減となった。

とあるように、既存の大口スポンサーが縮小した枠に入ってきたからでしょう(これの細かい分析は専門の方のほうがはるかによさげなので割愛します)。

ここで思ったのは、数年前まではパチンコやローン関係のCMは規制されていたのかということ。もちろんテレビ局が倫理として規制していたということも言えます。ただ、もうひとつ考えられる理由があります。それは「テレビコマーシャル」という広告媒体の質を保ちたかったから。

おそらく10年以上前は、テレビコマーシャルは圧倒的な力を持つ広告で、そこに多く出稿することは企業のステータスにもなるという面があったと思われます。高級品のCMも多く流れてましたよね(中には倒産後に色々問題となったココ山岡のようなところもありましたが)。つまりテレビCM自体がひとつのブランドであり、パチンコやローン関係といった、見る人(それのリスクを知っている人)によっては嫌悪感を起こすようなものを流すことは、そのブランドイメージを壊すためにできなかったと。

しかし近年はかつてのブランドイメージが薄くなり、高級品のCM(たとえばトヨタレクサスなど)が少なくなってきたため、その枠を埋めるためにパチンコなどを解禁し始めたのだと思われます。しかし、それによってブランドイメージが低くなってゆき、どんどんと既存出稿先が撤退し始めるというスパイラルに陥っているのではないでしょうか。そしてテレビ局や代理店もその負のスパイラルはわかっていても、もうどうしようもない状態なのかもしれません。

ちょっと前にひろゆき氏がこんなことを言っていました。

メディアの赤字と頭の弱い人を優遇すること。 : ひろゆき@オープンSNS

そういったどうでもいいことに
喜んでるような
頭の悪い読者ばかりを相手にしているから、
情報を取捨選択出来る人からは、
いらない情報を流してるメディアだと
思われちゃうんじゃないですかねぇ。。

んで、頭の悪い読者が多いと、
収入の低い人が多くなり、
広告価値が下がって、
広告収入が落ち込んで、
赤字になるってことだと思うんですけどね。。

これは全く別の見方をすれば、そういったCMの対象となるそういった視聴者を保つために、そういった番組にしているとも言えるかもしれません。どっちにしても負のスパイラルには変わりないのですが。

あと、あまり関係ないけど、私がテレビで見ている数少ない番組のワールドビジネスサテライトでも、FX系のCMが今流れると「おいおい」とちょっとツッコミを入れたくなる今日このごろ(少なくともCM見て始める初心者がやっちゃいかんような気がする)。

今日はここからが本題。

このように、テレビCMの枠が売れていないのは見ての通りでしょう。このままだと来期はもっとひどいことになるかもしれません。しかし、テレビ局の収入において、昔はたいしたものではなかったけど、現在はバカにできない分野があるのではないかと思ったのです。それが「アニメ枠」。

1年くらい前、ブログ界隈でアニメの制作費が制作者に行き渡らないということが話題になりました。うちでもちょっと触れました。

その時に現在のテレビアニメにおける収益構造を示してくれた方がいらっしゃいました。

ニセモノの良心 : テレビ局はアニメのお金の中抜きをしているか?

図解・「テレビ局はアニメのお金の中抜きをしているか?」 – Attribute=51

これによると、「黒ネット」「白ネット」そして「制作委員会方式」というものがあります。

ここで注目したいのは制作委員会方式。つまり各メーカーなどがアニメごとに「制作委員会」というものを作って資金を募り、そこからの費用でアニメを制作すると同時に、テレビ局にお金を払って枠を買って放映するという方式。主に深夜枠のアニメではこれがかなり多いみたいですね。

■参考:製作委員会方式 – Wikipedia

この方式としては

テレビ局からすればテレビショッピングを流すより(はるかに)実入りは少ないが、番組の風体をなしているのでコンテンツ充実という意味で、まぁ我慢が出来るという手法だ。

とあります。つまり、テレビ局にとってアニメは枠が埋まらないよりは入れておけ的な存在だったのかなと。

しかし、いくらテレビショッピングのほうが実入りがよくても、流せる本数には限界があるでしょう。ましてや深夜枠の視聴者は主に20〜30代。その層はテレビショッピングではなく、ネットのほうが効率的と考えても不思議ではありません。実際、テレビショッピングで紹介された物とおなじものを検索して、安ければそっちを買ったという人はいるのではないでしょうか。

そこで登場となるのがこのアニメ。たしかにアニメの視聴者人口は全人口に比べて限られています(深夜帯に流れるマニア向けは特に)。しかし、ここではテレビ局にとっては視聴率はそんなに重要ではないと思われます。だって、この枠はまるごと制作委員会に売っているのですから。

そして、前述の収入的理由から今まではおまけ的な枠だったその深夜アニメ枠でも、テレビ局が経営危機に陥ってきた場合、見捨てられない枠になってくるのではないでしょうか。少なくとも深夜枠が全く埋まらないよりは、そこの枠を買われた方が収入にはなるのですから。特に地方局の場合、一歩早くこれが重要な収入源となってくるという可能性も否定はできません。

さて、今まではアニメなどオタク文化に対してテレビ局の反応は(自分のところで放映にしているのにもかかわらず)よいものとは言えなかったと思われます。しかし、もしそのオタク層がそれらをキープするための重要な視聴者層となったらどうでしょうか。つまり今までみたいにオタク文化を規制する報道をすれば、そのアニメ自体も衰退し、収入源を断つということにはならないでしょうか。似たような自業自得的現象は、すでに起きている感がありますし。

別に報道を規制しろ、というのではありません。しかしどう見てもオタク文化に対する報道は偏見が入った物が多いように見受けられましたので、このことをきっかけに考え直す機会になってもらうのはいいかなと思います。報道に理があればオタクな視聴者も納得するでしょうし、それに理がない偏見ならば、反発するでしょうし。

先日容疑者が逮捕された千葉県東金市の事件でも、最初『ふたりはプリキュア』のグッズがあったことが放映されました。1989年の幼女連続殺人事件(宮崎勤事件)以来、いつもなら根拠なくここからアニメ叩きになるかなあと思っていたのですが、意外とそうならなかったのは、報道が冷静になったのか、それとも前述のテレビがピンチな状態に関係あったのか……(ただ、ここから成年漫画でも見つけていたら、また騒ぎになっていたかなあと思うと……)

■【幸満ちゃん事件】プリキュア、聖闘士星矢、ブリーチ…容疑者自室に子供向け漫画、犯罪性は見当たらず (1/2ページ) – MSN産経ニュース ※リンク切れ

ま、今日のは現状ではまだ希望的観測に基づく飛躍的なところがありますが(実際すべての局が深夜アニメをやっているわけではないし)、状況が状況ですしアニメコンテンツが今より力を持つという可能性はあり得るでしょうね。ただ悲しいかな、それでアニメの売り上げが増えるかというとそうではないのですが。しかし長期的に見ると、偏見的報道が減少することで、オタク市場のパイが増えてゆき、潤うことになる可能性は否定できないとは思います。

◆追記

ただ、アニメ以外のオタク文化に対しては、この論理で考えると逆に厳しく攻撃される可能性もあるかなあと。要は何であれオタクがテレビの重要な視聴者層と認識されればいいのかな。乱暴に言えば、テレビ局を潰すのは不可能なのだから、敵でなくしてしまうのもいいんじゃない的なところ(味方にする、って書くと、今度は報道統制みたいになって嫌なので)。

☆さらに追記(2016/5/11)

現状を見ると、むしろアニメさえテレビから離れているような気も。あと報道においても自社でどんなコンテンツを扱ってようが「それはそれ、これはこれ」的な感じ。

今後見守るのは、テレビ事業の(テレビ局が、ではなく。副業で収入あるところも多いし)現在の体質での破綻が目に見えるのはいつ頃かということ。主に財政的に。

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