空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

とあるパソコンとネットに救われた家族の話

とある家族は両親と子供の普通の一家でした。しかしある時、母親に病気が判明します。その病気は国から難病指定されているもので、ほどなくして介護が必要となりました。それに家族は悲しみました。しかし、ただ悲しんでそれだけというわけにはいきません。現在の病院では長期入院は不可能で、原則自宅介護をするしかないからです。
しかし、それまで介護経験がない家族は苦労します。意識は正常なのでそれは救いでしたが、それでも会話困難、歩行困難になってくるにつれて、負担は増してきます。父親は介護する側によくある現象である腰痛も患いました。そんな状態が1年以上も続きます。いかに家族としての愛情があろうとも、事実、疲労は蓄積してゆき,精神的ストレスも溜まってゆきます。しかしこれは現在の日本では珍しいことではなく、在宅介護をする人の多くが抱えている問題でしょう。

しかし、あるひとつのものがその家族を救ってくれました。それはパソコン&ネット。この家には幸い昔からパソコン環境があり、軽い操作はみんなが使えました。前述の通り、介護を少人数でする場合、なかなか家から出ることは出来ません。しかし、ネットの存在は家から出なくても何かをすることを可能にしてくれました。主にはメールでのやりとり。それに病気や公的補助についての調べごとも、これで調べることが出来ました。また、外にいる家族への連絡を容易にすることも可能でした。さらに、なかなか自由がない介護者も、ネットがあればそれなりの時間で気分転換をすることが出来ます。おそらく、この気分転換が出来なければ、同じ状況で煮詰まっていたことは否定できないでしょう。

さらに要介護者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)も上げることができました。ペンが持てなくなっても指が動くうちはマウス操作でメールを送ることも、それをプリントアウトすることもできましたし、各種情報をインターネットで仕入れることも出来ます。また、同じような病気の人が相談し合っているページもありました。
そしてキーボードの操作はできなくなっても動かせる機器は存在し(参考:日立ケーイーシステムズ【伝の心】概要)、それを試すということです。

おそらく、パソコンとネットがなければ、もっと苦労し、精神的にも煮詰まっていたであろう家族は、これらに救われたこととなります。


何故、こんな話を書いたか。最近様々な犯罪と絡めて、『ネットは害悪』のように語られています。しかし、このようなメリットがあるということ、そしてそれに救われた人もいるということを示したかったからです。この話自体は創作かもしれませんし、本当のことかもしれません。しかし同じ例はこの日本で十分あり得るし、仮になくてもネットがこのように救いになることは十分あることではないでしょうか。たとえば、こんな話題がありました。

20年間 親の介護してるけど何か質問ある? 働くモノニュース : 人生VIP職人ブログwww

この人はネットで相談したからこそ、手当の存在を知って、今までより苦労を削減できるようになったはずです。このような例はいくらでもあるでしょう。もちろんこの手のものには創作的なものもあるでしょうが、全部が全部そうではないでしょう。また2chではなくても、大手小町などの相談サイトや各種ブログで救われた人もいるはずです。

また、病気や怪我をしている人も、パソコンを操作さえできれば(しかも先の例のように、比較的動かせる介護機器は揃っている上、ないものも発展が見込まれている)時間はかかるし、コンテンツは制限かもしれませんが、幅広いものが楽しめます。多少どこかが悪くても、普通の人と平等にブロガーにもなり得るでしょう。


ただ、このデメリットに隠されたメリットというものはネットに限ったことではありません。たとえば携帯電話に関して、最近このようなニュースがありました。

痛いニュース(ノ∀`):橋下知事の“携帯持ち込み禁止”に女児が反論…「非常時に何かあったら、どうするんですか?」

私は現在の小学生の事情はわからないのですが、一般的に見えるデメリットの裏に、今の子供が実感しているメリットがあるのかもしれません。しかし私は当事者ではないのでそれがわからない。なら、それを教えて欲しいと思うわけです。少なくとも、犯罪にかかわるような要素を除いて、メリットを抽出した携帯電話なんてものが発売されるかもしれませんし(というか、キッズケータイってそういうのだよね、たぶん)。まあ、子供にそれを具体的に表現しろというのは難しいかもしれませんが。

そしてネットとは逆に、最近いらないと思えるようになってきたテレビや新聞にも言えます。もしインターネットを超えるメリットがあるのなら、それを主張、表現すべきではないかと。その主張が多くの人に取って意味を見いだせるものであれば、それらのメディアは生きのこるでしょうし、出来なければ衰退してゆくような気がします。

そして各種文化、マンガやアニメ、ゲームだって、辛い境遇の中、それが励みになったから切り抜けられた人もいるはずです。そしてそれは、他人から見れば何の役にもたたないようなギャグマンガだったり、もしかしたらエロゲーだったりエロマンガだったりするかもしれません。他人から見ればつまらなく見えるものでも、それに救われる人もいるはずです。


最近の処々の法規制には、デメリットばかりが強調され、メリットをふまえていないものが多いように思えるます。それはデメリットの方がはるかに目立つからでしょう。それにメリットをいちいち語ることというのは、あまりないことですよね。でも、表に出ないけど、それが持つメリットによって救われた人というのは大勢いるのではないでしょうか。なら、それを法規制されて困ると思った場合、そのデメリットを埋め尽くすまでのメリットを主張する必要があるのではないかと最近思うわけです。もしかしたら素でそのようなメリットを知らないで反対している人もいるかもしれないのですし。

「自分が知っていることを、相手も知っていると思うな」というのは、最近注意しなければならないと思うことです。自分たちにとって何か役に立つものの規制に賛成している人には、素でそういった数々のメリットを知らない人もいるのでしょう。そういう人たちにとって、規制を思いとどまらせる効果のひとつにはなるのではないでしょうか。


◆追記
要介護者用のマウスとして、こんなにありました。おそらく助成は出るんじゃないかなあ。

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