NHK受信料の障害者免除規定範囲が著しく狭い件と世帯課金運用の限界

今回のは、個人的な愚痴から起因するものなので、そのつもりで読んでいただけば幸いです。つか、いつもこんな感じですけどね。

この国には、一応数々の障害者福祉があります*1。たとえば携帯電話も、障害者の方が申請すれば、半額以下になるプランを各キャリアが用意していたりします(周りで携帯を持っているのに知らない障害者の方がいたら教えてあげてください)。

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で、ほかにもいろいろあるのですが、そのうちNHK受信料の免除というのがあります。NHK受信料は月額でだいたい2,690円、衛星放送もあわせれば4,580円、年単位で払い込めば割引になりますが、それでも14,910円、もしくは25,520円かかるとのこと。

■参考:NHK受信料の窓口

それを、障害者のいる世帯で一定の要件をクリアしていれば全額、もしくは半額免除になるということが書いてあったのですね。そういえば、最近「戸別訪問の廃止」と「障害者に対する受信料免除範囲の拡大」をNHKのインフォメーションでも語っていたなと。でもって、それについて福祉事務所について聞いてきたのですが、その適用範囲は障害者のいる世帯であれば誰でもというわけではありませんでした。いや、それどころか、かなり狭いものであることが判明したのです。

さて、その免除規定についてはここに書いてあります。

NHK 受信料の窓口(障害者の方に対する受信料免除基準の適用範囲拡大)

これによると、

【全額免除】
世帯構成員のどなたかが、障害者の手帳(身体障害者手帳、療育手帳(または判定書)、精神障害者保健福祉手帳)のいずれかをお持ちで、世帯全員が市町村民税非課税の場合。

【半額免除】
以下のいずれかにあてはまる方が、世帯主でかつ受信契約者の場合。
○視覚・聴覚障害者(身体障害者手帳をお持ちの方)
○重度の障害者
  身体障害者手帳〔1、2級〕
  療育手帳(または判定書)〔「最重度」または「重度」に相当する記載〕
  精神障害者保健福祉手帳〔1級〕  のいずれかの手帳をお持ちの方

とあります。一見、適用範囲が広いようにも見えますが、私からするとだいぶ限られているように思うのです。
まず、全額免除ですが、絶対条件として「世帯全員が市町村民税非課税の場合」とあります。つまり、世帯の誰かに収入がある場合、もしくはあってもそれを免除されていない場合は適用とならないのです。つまりは、要介護者の家族が働いていれば適用外となるのです。しかし、現実的に考えて、障害を持っている方で非課税の人でしか世帯を構成していないというのは、相当家庭状況が苦しいと予想されます。つまりそこまでいかないと、たとえ介護で費用がかかっていても、免除対象とはならないということになります。

では、半額免除はどうか。これは「世帯主でかつ受信契約者の場合」という要件が入ります。つまり、その障害を持っている方が世帯主でないといけないわけです。しかしこれも変な話で、実際問題、障害をもたれたら、各種のやりとりの凡雑さから救うために、他の家族が世帯主になる場合もあるでしょう(別にこれは障害を持っていたら世帯主でいてはいけないということではないので念のため)。また、老夫婦のみの世帯でも、妻が障害を負った場合、夫の世帯主を変えずに介護を続けるでしょう。しかし、そういった場合にも免除にならないのですよね。でも、受信料のためだけに障害を負っている人を世帯主にするわけにもいかないでしょう。

こう考えると、携帯電話などに比べて、この受信料の障害者免除処置というのは、かなり適用範囲が狭いと思わされます。つまりは、重い障害を負っている人でも家庭的な環境からこの免除規定に引っかからない人は、かなり多いと思わされます。何せ収入のある家族が介護していれば、アウトなんですから。

でも、障害を負って動けない人の多くには、テレビが重要な娯楽って人も多いと思うのですよ。別に私とかはテレビを見なくてもどうにかなると思いますが、そういったやむを得ず手放せない人からも受信料を取るってのはどうかと思うのですよ、個人的に。


しかし、これはNHKが銭ゲバとか非道と言い切るよりほかにもうひとつ、受信料制度の限界もあると思います。それは、世帯毎の課金という点。受信料は原則、世帯毎の課金となっています。これはこの制度が始まった昭和の時代、つまり当時の家族形態に即してのものだったでしょうが、現在ではそれが多くの場合崩れ、核家族化どころか、1人住まい、老夫婦飲みの住まい、もしくは独居老人なども目立ちます。なのに受信料制度だけは、昔の3代いる家庭のお茶の間に1台のテレビがある想定で作られた法律がそのまま活きているのですよね。

上の受信料免除規定も、障害者という「個人」の課金を免除するのではなく、「世帯」というものを基準としているため、免除対象者を置くことで、本来払う人を大量に免除の対象にしないこのように範囲の狭くなる規定となっているのでしょう。まあ、障害者のいる家庭すべてを免除しないあたりで搾取しているようにしか思えないですが。


最近、受信料の未払いについて裁判を起こす方向みたいですが、こういった免除対象にはならなくてもギリギリの世帯でもその訴訟対象になり得るのですよね。これはどうかと思うのですよ。

いろいろ言いたいことはありますが、まずはこの世帯単位の受信料徴集をどうにかしないと、余計歪みが広がる気がします。そして、障害者のいる家庭では、全額免除くらいにしてよいのではないでしょうか。そうすればもしかしたら、在宅介護を受け入れる一因になってくれるかもしれないのですから。ま、受信料に限らず、医者のベット不足で在宅介護をさせたいのだったら、このへん本人だけではなく、介護する人の減免処置をもっと行うべきではないかと最近思ったりします。

*1:最近「障がい者」という表記が増えていますが、私は「障害者」という言葉自体に差別はないと思っているので、この表記にします。