取り付け騒ぎはとんでもないところから起きる可能性があるという話

やる夫シリーズで、こんなのがありました。

やる夫で学ぶ世界恐慌・1929 働くモノニュース : 人生VIP職人ブログwww

おもしろい。自分は歴史は好きだけどあまり経済には詳しくないので、その辺の流れも読めるあたりがよいです。学生でも、経済史のテストの流れを掴むのにも最適かも。

さて、ここの>>386にあるように、1927年、時の大蔵大臣、片岡直温の東京渡辺銀行破綻するかも発言において、取り付け騒ぎが発生。つまり、金融の最高責任者とも言える大蔵大臣がその銀行がヤバいと言ってしまえば、それは本当にヤバイと思うしかなく、そしたら預金者は預けてある預金を引き出そうとしますよね。そして>>389にあるように、他の銀行にもその問題は波及、結果、銀行がどんどん潰れて、昭和恐慌の引き金となり、若槻内閣は総辞職にまで追い込まれる事態となります。おそらく昭和史有数の大失言ではないかと。ちなみにこの当時、東京渡辺銀行の経営はたしかに悪化していましたが、破綻までは至っていなかったということです。しかしこの発言のために、結果として破綻してしましますが。

片岡直温 - Wikipedia

しかしこの取り付け騒ぎ、普通起きる時は本当に経営がまずいとか、不安材料がある時が多いですが(山一證券など)、真実とは別にこういった発言や噂で結果としてそうなってしまう時もあります。しかしそれは何も大蔵大臣の発言だけではなく、歴史的に見てゆくととんでもないところから取り付け騒ぎに発展してしまう可能性があるみたいです。

たとえば、1973年の豊川信用金庫事件というのがあります。これは町中でのたわいもない会話(しかも経営状態とは全然関係ない)から、取り付け騒ぎに発展してしまった例があります。「信用金庫は(強盗とかが出るから)危ない」という意図の発言を受け取る方が経営危機と勘違いし、それが拡大していった結果、取り付け騒ぎになってしまったと。

豊川信用金庫事件 - Wikipedia

そして、これは比較的最近、佐賀銀行倒産メール事件 というのがありました。これはとある一人がメールで2003年12月25日に「佐賀銀行が26日に倒産する」という事実無根のメールを出したら、それがチェーンメール化してしまい、取り付け騒ぎになってしまったというもの。最初に出した女性は書類送検されたそうです(後に不起訴)。

■参考:取り付け騒ぎ - Wikipedia

これらのケースは、かなりのレアケースだと思われます。ただ、銀行預金という財産が失われるかもしれないという危機意識は、人間に強く作用するということを証明したものだと思われます。


現代の場合、噂の元になりやすいのはやはりネットですかね。先のことみたいに偶然が重なった場合、信用毀損・業務妨害とされる場合があるかもしれませんので、銀行関係の経営について書き込むのはちょっと気をつけたほうがいいかも。これがバブルの時とかだったら、誰も信用しなかったでしょうが、今の景気だとシャレにならない可能性があるので。例の犯罪予告系の書き込み→逮捕も、おそらくはアキバの事件が起こった直後だったために、模倣犯の可能性が頭に浮かんで、あそこまでピリピリしていたのかもなんてことを思ったりします(本当に起訴されるとは思わなかったけど)。

ちなみに2003年のペイオフ解禁以来、預金保険法により、1000万円迄は保護されます。ですので、預金者全員がつめかけるということはないでしょうね。まあ国まで破綻すれば別ですが。

預金保険法 - Wikipedia

ペイオフ (預金保護) - Wikipedia


しかしどうなるんでしょうねえ、この景気は。