タスポは手続きが簡単でも普及しない運命にあったのではないかと思う話

こんな記事が。

asahi.com:タスポ 煙たがられる? たばこ店閉店続々-マイタウン栃木

タスポの普及率、全国喫煙人口の「24.6%」:NBonline(日経ビジネス オンライン)

6月24日現在、タスポの発行枚数は約641万枚で、全国の喫煙人口に対する普及率は約24.6%だったそうですが、上のリンク先では9月末のデータで、栃木県内だけで約29.8%のこと。おそらく多めに見積もっても、喫喫煙者全体の1/3程度しか普及していないのではないでしょうか。

さて、タスポが普及しない理由としてよく言われているのは、手続きが面倒だからということ。つまり身分証明書を送付しないといけない作業がめんどくさく、それなら別にコンビニとかで買えばいいやと思っている人が多いと考えているらしいですね。私はタバコを吸わないのでよくわかりませんが、たしかに近くにコンビニがあるような人は、めんどくさい申請をいちいちするより、そっちで間に合ってるからいいやと思う人が大勢いてもおかしくありません。

では、仮に(出来るかどうかはともかくとして)このカード申請手続きが、コンビニで買えるくらいに簡単になったとしたら、普及率は100%近くなるのか。答えはNOだと思います。というのは、すべての喫煙者が、タバコを積極的に買える状態にしたいとは望んでいないような気がするので。

近年では、タバコを吸い続けることは、健康的にも経済的にもあまり肯定的にとらえられていない節があります。特に最近では、会社などの建物内や交通施設において、禁煙とか分煙といった動きも盛んになっており、喫煙者への風当たりが強くなっているのはよくわかります。こんなご時世の中で、今は喫煙をしている人、つまり「喫煙者」とカウントされている人の中にも、禁煙をしたいと思っている人は少なくないのではないでしょうか。

とはいえ、そうは思っても禁煙はハイ明日からずっと吸わないというように簡単に達成できるものでもないというのもよく聞く話です。しかし、何かのきっかけがあれば、少なくとも禁煙をはじめる最初の一歩目になり、そのうちいくらかは、禁煙を達成するでしょう。

そう、タスポの導入というのは、そのきっかけにされているのではないでしょうか。つまりタスポ導入の際にわざとカードを取得しないことで、禁煙のきっかけにしたと。喫煙者の中にはそういう人がそれなりにいるのではないでしょうか。いや、そこまではいかなくとも、タバコの取得を難しくして本数を減らすために、あえて申請しなかった人というのも多いのではないかと。それはさも買い物をする時、余計に使いすぎないようにクレジットカードを置いて、現金を控えめにしか持たないように。どっちの場合にも、喫煙者に対してのタスポ導入率は減りますね。

データはないのですが、おそらくはタスポ導入前と導入後でのタバコの売り上げを自販機もコンビニなどの店舗も含めて比較してみたら、導入後はそれなりに減少しているのではないでしょうか。しかしそれはタスポがないというのが主因ではなく、前述のように能動的に止めようとしている人が多く、そのきっかけとしてタスポを取得していないから。

ちなみに同じことは、タバコ税の増税で一箱500円とか1000円になった時、さらに激しく起こるでしょうね。

こう考えると、タスポはもともと普及しない運命であったのではないかとも思えます。こうなるとたしかに自販機を設置している店やJTは大変でしょうね。そして税収が減る国も。それでももしこのタスポ導入により喫煙率が減っていたのだとしたら、長い目で見ると健康被害を受ける人が減り、国の医療費がその分軽減されているのかもしれないなんてことも思ったりしますが。

まあ、喫煙は人に迷惑をかけない限りは個人の自由だと思いますので、吸われる方は身体に気をつけて適度に。