宮崎アニメのルーツのひとつであるチベット民話をもとにした話『シュナの旅』

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『シュナの旅』という話をご存じでしょうか。

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シュナの旅 (アニメージュ文庫 (B‐001)) : 宮崎 駿

これは今では巨匠とも呼ばれる宮崎駿が、1983年に出したイラスト&文字という絵本仕立ての話です。ご存じの方も多いでしょう(しかし著者紹介の宮崎さんの顔が若い若い。そりゃまだ40代前半だしなあ)。ちなみに『風の谷のナウシカ』の映画放映が1984年なので、それよりも前に刊行されたものになります(ただし『アニメージュ』上での『風の谷のナウシカ』マンガ版連載はすでにスタートしていました)。

これ、読むとわかるのですが、ところどころにその後の宮崎アニメの材料となる要素が混じっているのですよね。特に『風の谷のナウシカ』と『もののけ姫』の要素は強く、この本を知らない人がページだけ見ると「もののけ姫(ナウシカ)の一部か?」と思うでしょう。主人公はほとんどアシタカで、荒廃した世界はナウシカに似ていますし、巨人やらナウシカマンガ版のような神の国やらも出てきますし、『ゲド戦記』では、原案にまでなっている模様。ただ、映画を知らずにこれ単品の話として今読んでも面白いものなので、宮崎アニメ、特にナウシカなどが好きな人で未読の人は読んでみてください。安いし。

さて、これはわりとマンガ、アニメ好きには有名な本ですが、これの奥付に書かれていることは知らない人も多いかもしれません。奥付に書かれているものによると、これは『犬になった王子』という、チベットの民話がもとになっているということ。それは、貧しい国の王子が、竜王から麦の種を盗み出すけど、犬に変えられてしまう。しかしひとりの娘の愛によって救われて、祖国に麦をもたらすという話。

そして今、チベットで起こっていることは、オリンピック前から言われている通りでしょう(このところグルジア問題などがあったにせよ、マスコミでほとんど報道がないのが逆に心配になります)。同じくあとがきで、この話をアニメーション化するのが一つの夢だけど、今(当時)のアニメ界ではこのような地味なものは通らないから(絵本という形で)映像化したと書いてあります。なら、こんな時だからこそ、このアニメを単館でやる短篇みたいな話でもいいので、宮崎さんがアニメ化すればいいのになあと思ったりします。
まあさすがに、前述の作品でこの話のエッセンスをだいぶ抽出してしまった感じはありますけど、それでもいいじゃないかと思うのですけどね。極論『シュナの旅』ではなくて『犬になった王子』として、子供向けにでも。私は正直、ポニョよりも見たいです。

◆追記

調べてみたら『ゲド戦記』にはこの作品が「原案」となっているらしいですね(よって部分的に訂正)。それはどうか。(ゲドの映画が悪いんじゃなくて、それじゃ原作のゲド戦記に失礼だろと思うのですが……って、おそらくこれ、数年前に言われていたことなんだろうなあ)。

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