空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

『エコ』って商売のお題目としてはかなりリスキーではないか

先日、『ふおんコネクト』のことを書いた時、最後に『うぃずりず』での一コマについても触れました。

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まんがタイムきらら2008年9月号(芳文社)里好『うぃずりず』23ページ

nakamorikzs.net


つまりテレビでエコと叫んでいるのに、それを見ることによって電力を消費するという矛盾が展開されているというブラックネタ。だけどこれ、テレビだけに限らずに、すべてのものに対して言えるのではないかと。そして、「エコ」を商売にするというのは、多くの面において矛盾しているのではないかと。だって、ほとんどのものにおいては究極のエコは「使わないこと」「買わないこと」なのですから。

とはいっても、人間、今までの生活レベルを下げることはなかなか出来ないでしょう。特に暑さ寒さに関しては。ですので必須となるエアコンの場合、それを買い換えることで消費電力の低下に繋がるとなれば、手も出るでしょう。冷蔵庫もさすがにないと辛いです。しかし、それが思い返してみた結果、その人にとって必須ではない場合はどうでしょうか。

このエコが叫ばれている昨今、無駄な電力の使用を控えるという人は増えていると思いますし、悪いことではないと思います。その結果、つけっぱなしの電気を消した人は多いでしょう。そしてその中にはきっと、「なんとなく寂しいから」とテレビをつけっぱなしだった人が消したという例もあると思います。しかしそれにより、テレビの視聴時間が減った、という人もいるのではないでしょうか。そしてそれに慣れてしまい、「別にテレビ買い換える必要ないな」とか思った人も。テレビばかりではありません。新聞も雑誌もつきつめれば紙の無駄、と考える人はいるでしょう。情報媒体だけではなく、余った野菜はもったいないとかで、出来るだけ細かく買うとかも。

そしてその節約指向性が金銭にたどり着く場合もあります。実際、節約をしていると、それ自体が楽しくなる人はいるようですし。そうすると、レジャー、外食など、削れるところは削っていくようになるのではないでしょうか。ましてや一人暮らしで、金銭を自由に使える場合特に。個人的にも最近「買う楽しみ」の波が収まると、「整理する楽しみ」というのが襲ってくることがあります。いや、「どうしても」ってもの以外には、買わないでどれだけいられるかってのを楽しみに出来る波って来ることがあるのですよね(私だけ?)。まあ、パソコンという非常に強い娯楽があるせいかもしれませんが。


つまり「エコ」で売れるものというのは、ごくごく一部の必需品であり、その枠から漏れたものは「エコ」の敵にもなりかねないのではないかと。そして、それを強く発信しているテレビが、今、一番の犠牲になろうとしているとも考えられます。特にテレビが必要ないと思っている世代には。

■参考:テレビはワンルームマンションから最初になくなってゆくのではないかと思った話

さて、今年はクーラーは売れているのに、テレビは売れていないようです。

■五輪商戦:薄型テレビ伸び悩み エアコン急伸…猛暑の影響 ※リンク切れ

これ、暑さのせい、金銭的な余裕のないせい、そしてテレビの必要性を感じないせいという理由の他に『エコのためテレビを買わない(見ない)』と思っている人が、全くいないとは思えないのですけど……*1

このへん、発信媒体で宣伝すればそれだけエコから遠ざかっていくという、ある意味「エコのパラドックス」と言えるのかも(まあ最低限の発信は必要だとは思いますが)。

でも、もしこのパラドックスを認識して、たとえ自分を削ってでも地球の大切さを発信していくという、使命に燃えている人たちばかりなら、それは立派なのですが。まあ、無駄な電気を使わないにこしたことはないですね。その結果、私は使わない部屋のクーラーを消したり、テレビを消しているだけです。ちなみに今年、例年起こっていたPCの熱暴走がまだ起きていないのは、CPUを省電力タイプにつけかえたからかな??

*1:でも極論、エアコンだって、使わなければいい人もいますしね。ちなみに扇風機の費用対効果の威力はなかなかだと思うので(ビックカメラで安いのだと2980円くらい)、クーラーに手が届かない人はこちらおすすめ。消費電力は1時間で1時間では25W〜30Wくらいみたいだし。