空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

きらら9月号の『ふおんコネクト!』における世論操作手法が実際にありそうな件について

『まんがタイムきらら』を買ってきました。しかしキャラットと共に、近くの本屋にはどこも置いていない上、Amazonでも最近取り扱いをしなくなってしまったのに、何故かちょっと離れたコンビニにだけに置いてあるという。それはともかく、読んでみると今号の『ふおんコネクト!』がやけに興味深く読めたので、今日はそれで。

■参考
nakamorikzs.net

このマンガ、過去にも現実の風刺というかパロディみたいなものをよく使うのですが(選挙とか)、今号はマスコミネタでした。で、ここで風刺されている手法がなかなか興味深かったので、


まず今号の簡単なあらすじ。新聞部に写真提供しているふおんですが、新聞が紙媒体を廃止して、Webに移行するというのでお役ご免になってしまいそうになります(ネットで生徒の写真を公開するのは好ましくないとされているので。しかし、ふおんの写真自体は好評)。そこで紙媒体存続のためにふおんのとった手段は、変えるべきは人ではなくて『読者を洗脳する』ということ。その手法は以下の通り。

世論調査のアンケートを有作為抽出

”こちらの立場を理解している”交友範囲の広い友人にアンケートを渡し、その友人に書いてもらうというネズミ講式。つまり、無作為のように見えて、望む結果を出してくれる人にのみ、アンケートを渡すというもの。これで得られる結果はおわかりの通り。

アンケート内容の操作

「紙媒体の存続に賛成か反対か」とのアンケートに「はい」「いいえ」だけではなく、いくつもの設問を用意しておきます。そして1、反対、そのまま続ける。2、規模を縮小して続ける……など、設問のほとんどを「廃止反対」にしておき、最後のひとつだけ「廃止賛成」にする。そしてそれを公表するときは……
 

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まんがタイムきらら(芳文社)ざら『ふおんコネクト!』14ページ

これ、このブログでも前から書こうとしていたのですが、このように聞いた内容と実際の出力が違うことってのはよく使われている気がします。昔から顕著なのは、「(人名・法案)を支持しますか」というアンケートで、いろいろな意味合いを持つのに、そのよいところばかりを設問で書き出して、「賛成」に行くようにすると。当然、悪いところは書かれないと。ですので、アンケートといっても、このように賛成、反対の裏には何があるか、よく考える必要があると思います。

偏向報道

紙面でのPRの際、こちらに都合の悪いことを書かない、「伝える事実を選択する」という行動。「『報道しないこと』これがマスコミ最強の力だよ」というのは、皮肉と言うには怖すぎます。書かれていないところに、重要なことや、真実があることも多いのですから。

※2014年加筆:当時はメディアの力として「『報道しないこと』これがマスコミ最強の力だよ」を書いたのですが、最近ではネットでこれを見ることが多くなった感じです。例えば見解が複数ある事象で一方しか伝えなかったり、その一方を誇張して印象を誘導するなど。ある意味マスメディアの手法をネットがそのまま引き継いでしまった感じがして。
 

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まんがタイムきらら2008年9月号(芳文社)ざら『ふおんコネクト!』15ページ


しかし、このような誘導に対して、友人の交流のひとことで「自分の写真の腕を信じないで小細工に走っている」と気づかされます。
 

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まんがタイムきらら2008年9月号(芳文社)ざら『ふおんコネクト!』17ページ

その後は……これは実際に読んでみた方がよいでしょう。マンガの中だけではなく、もし現実でこのようなことを行っている人がいても、それは所詮偽の結果だと思ってくれるといいんですけどねえ……

実際読むのオススメ

ともあれ、いつものようなギャグやパロディに加えてちょっといい話まで入った、かなりおもしろい回だったと思います。あと、これとかもね。
 

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まんがタイムきらら2008年9月号(芳文社)ざら『ふおんコネクト!』18ページ

同じくきららで連載されていた「謎部のアレ」でも某ブログみたいなのが描かれましたけど、これはどこかモデルかなあ何て思ったり(参考:謎部が、某秋葉原大手サイトに!…ん?

※2014年加筆:2008年当時のまとめサイトってのは、まだ大きくなり始めで、新しめの存在だった時代だったのですな(ニャー速事件が2007年だっけ)。良くも悪くも利益とかじゃなく、面白さを追求しているとは思っていたのですが、現在は……。


あと、同じくきららの『うぃずりず』でも、このようなシーンがありました。
 

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まんがタイムきらら2008年9月号(芳文社)里好『うぃずりず』23ページ

エコ特番が増えたけど、『でも誰も「電気がもったいないからTVを消して」とは言わないのよね……不思議』。