マンガ雑誌の売り上げを減少させた一因と思われる通勤・通学スタイルの変化

例のヤングサンデー休刊や少年サンデーの話題で引用されていましたが、最近の漫画雑誌の部数はかなり下がってきているようです。

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さて、これの原因は何か、というと、マンガ自体に魅力がなくなってきたとか、他の媒体に時間を取られているとかかなり多くのものが言われています。しかし、今まであまり言われていない(と思う)にもかかわらず、マンガ誌の売り上げ減少にかなり影響を及ぼしたも要因がひとつあると思います。それは「通勤・通学電車で読むための漫画雑誌が減ったと思われる点。

昔は通勤中の雑誌や新聞は必須アイテムだったが……

私が普通の会社員で毎朝通勤をしていた8年前は、曜日ごとに買う雑誌を決め、それを買ってから電車に乗り、片道約1時間の暇つぶしとしていました。当時は月曜はジャンプ、火曜は週刊アスキー、水曜はサンデーかマガジン、木曜はランダム(モーニングとか多かった)、金曜もランダム(ファミ通は、ちょっと朝電車で読むのは抵抗があった)という感じ。小説とか持っていくこともけっこうありましたね。というか、当時は外に出るときは何か文庫本サイズの本を必ず1冊バッグの中に入れてました。そして周りの人も、漫画雑誌を読んでましたね。特に月(ジャンプ、スピリッツ、ヤンサン)、水(少年サンデー、少年マガジン)は顕著でした。

しかし、最近電車に乗っても、なんとなくそうしている人が減っているような気がするのです。しかし、それはマンガ雑誌に限ったことではありません。前なら火曜日には『SPA!』、金曜日には『フライデー』を読んでいた人も多かったのですが、それもあまり見ないような。あと、極めつけは新聞&夕刊紙やスポーツ新聞を読む人が圧倒的に減りましたね。これはあくまで体感であり、数字では減ってないのかもしれませんが、理屈で考えて見ると減る要因というのはあるのですよね。それは明らかにそれらのかわりに電車で読まれるものとして増えたものがあるから。まあ、通勤している方なら大多数の方がお察しがつくと思いますが、それは携帯電話。

先述の8年前は、iモードがやっと出始めた?というくらいで、白黒画面の携帯を使っている人も珍しくありませんでした(つーか私。N501)。そしてそれから数年も、すぐ電波は切れるわロクなコンテンツはないわで、携帯はあくまで電話をするもの、せいぜいメールをうつものでした。しかし現在、電車の中ではかなり多くの人が携帯電話を使っています。それこそ若い人ばかりではなくて、中年のサラリーマンからはては老人まで。

実は携帯電話というのは、現在では電車の中でも比較的つながる上、多くのコンテンツが出来ている以外にも、使用する利点があります。それは「場所をとらない」ということ。満員電車では座っているならまだしも、立っている状態の時は、雑誌を広げるスペースを作るのも一苦労でした、ましてや新聞を広げるのはかなり困難で、小さくおりたたみ、かなりくしゃくしゃにしながら読んでいた人も多かったでしょう。しかし携帯電話を見るためのスペースは、雑誌や新聞を広げるよりもかなり狭くてすみます。となると、電車内で苦労したくない人、他人への迷惑をかけたくない人が、新聞や雑誌から携帯への購読に移ったということは、十分考えられるのではないでしょうか。

通勤中に雑誌や新聞を買得るところも減っているような

それだけではありません。実はそういった通勤中に雑誌を買う場所は、たいてい駅の売店、つまりはキオスクだったわけですよね。ただ、これも実際の通勤している人(特に都内)はわかるでしょうが、現在、かなりのキオスクが閉店状態になっています。まあこれは日を改めて現状含めとりあげますが、大筋は以下の通り。

首都圏のキオスク、3分の1休業――Suica導入の意外な影響

昔は電車に乗る前に数秒でキオスクで雑誌購入というパターンはかなりありました。しかし、最近はこれが閉まっているので買えない。ですがかわりにコンビニがあるじゃないか、と思う方もいるでしょうが、朝に読む雑誌だけをわざわざコンビニで買う人ってあまりいないと思うのですよ(弁当とかと買うならともかく)。というのは、朝はかなり時間が貴重です。それこそ1分、いや10秒でも惜しいくらい。なのに、わざわざコンビニのカウンターに並ぶか、というと、それはしないでしょう。
よってキオスクで本来買っていた雑誌や新聞を買わなくなり、暇つぶしは携帯ですますようになったという人もいるでしょう。まあどうしても欲しい人は残っている売店(私鉄ではまだ多い)や多少混んでるコンビニでも買うでしょうが、そこまで熱心に買いたい人がいなくなったと。ということは、漫画雑誌、そして夕刊紙やスポーツ誌の部数がその分減ったと考えても全然不思議ではありません。*1

ライフスタイルの変化とそれによる市場の変化

まあ、このような要因が大きいのか小さいのかはわかりませんが、少なくとも増やしてはいないでしょう。なら、これもマンガ雑誌不況の一因と考えても良いと思います。*2

雑誌の売り上げの変化は、マンガの質がどうこうっていうのもありますが、こういった社会環境の変化(前述の例に限らず、生活スタイルの変化や販売方法など)もやはり影響しているのでしょうね。まあ、逆を言えばこの社会情勢にあうようにしたコンテンツがだいぶ有利になるということでもあるでしょうが。

*1:まあ、もともとキオスクで売っているタイプではない雑誌(例えば少女マンガ誌や成年誌、マニア向け漫画雑誌)については、この影響は薄いと思われますが。

*2:余談。最近夕刊紙にオタク叩きの記事が多いのは、こういったものを支持しない層が、夕刊紙を読んでいない層だから、つまり夕刊紙を読む層に好まれる記事作りをしているからとも言えるかなあと。