空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

ニコニコ動画は本当にオタク系サイトのアクセス数を減らしているのか

このようなエントリーがありました。

ニコ動とオタ系サイトは共存できない

ゲーム(ネット)とテレビの対立については、『ゲームミュージックなブログ』のほうで『「ゲームは1日1時間」と言わせたかったのは誰なのだろう』というのを書いたのでそちらのほうを。

「ゲームは1日1時間」と言わせたかったのは誰なのだろう | ゲームミュージックなブログ

で、こっちでは、「本当にニコニコ動画がオタ系サイトへの影響を及ぼしたの?」ということについて書こうと思います。



リンク元の記事では、ニコニコ動画の普及によって、オタ系サイトへのアクセス数が減った、ということから話が展開されています。しかし自分では「そうかなあ」と思えるのですよね。たしかに、2chは実際にニコニコが始まったあたりから、トラフィックが低下しているというのをどこかで読んだ気がします。まあ、たしかにニコニコでは「書き込む」ことが出来ますから、その要素をニコニコが取っていったというのはまあある程度納得できます。しかし、その他オタ系サイトのアクセスまでも、ニコニコが取ったのでしょうか。

ここで書かれている「漫画系のサイトはアクセス数がかなり減っている」の漫画系のサイトがどのようなものかはわからないのですが、もしマンガ紹介系だったら「それはないんじゃない?」と思います。全体を見ればわかりませんが、私のよく見るサイトでは、そんなことはなさそう、と思います。まあ、ヤマカムさんは最近まで休んでいたので、その期間は減ってもそれは当たり前だと思います。ちなみにうちではマンガも良く扱いますが、おかげさまでヒット数は増えています。

思うに、アクセス数というのは非常にその要因が個別に異なるのですよね。更新頻度、どこからリンクされた、何々が盛り上がった等々。あと、ひとつのマンガを主力にしたサイトの場合、そのマンガの人気に左右されることもありますし、全体としてみても話題のマンガがないとかそういう場合にもあり得ます。これはゲームなどほかのオタ系サイトでも同じことが言えますよね。

そんなわけで同種といえども複数のサイトにおいてその増加、現象何が影響したかというのを判断するのは非常に難しいと思います。あと、近年RSSが普及してきたというのもありますよね。これはアクセス数にはカウントされませんが、読者は当然存在します。そのような諸々の複雑な事情もあって、アクセス数だけでは様々なものの尺度が測れなくなっているとも思えます。故に、ここでニコニコの影響でオタ系サイトのアクセス数が減っているというのは、間違いではないかもしれませんが、あっているとも言えません。つまり「わからない」のではないでしょうか。それこそ更新頻度なども含めて全パターンの統計を取らないといけませんが、それは不可能に近いでしょう。


データがないので個人的な考えになるのですが、おそらくニコニコ自体が大量にオタ系サイトの閲覧を奪うと言うことはないと思います。というのは、見方が全然違うから。ニコニコは主に動画を見て、書くものですが、各種サイトやブログは主に「読む」もの(画像を見るってのもありますが)。その性質は微妙に異なると思います。もし、ここでアクセスが減るなら、すでに昔の2ch+観察対象(YouTubeや、それ以前の様々なコンテンツ)の時点ですでに減っているでしょうし。あと、ニコニコは、テレビとゲームの関係と違って、同時に出来る場合も多いのですよね。まあ全く同時ではありませんが、ニコニコをロードしている間に、他のサイトを巡回とか。複数ブラウザが開け、タブブラウザもある現在、普通にそれは出来るでしょう。*1初音ミクの音楽をニコニコで流してBGMにしながら、他のサイトを巡回するような人もいるでしょうね。そして逆に、ニコニコで紹介されたものから、それのサイトに流れてくる人もいるでしょうし。

そんなわけで、たぶんニコニコとオタ系サイト両者の影響はそんな食い合うほどでは無いのではと思います。


ちなみに、マンガとネットは、棲み分けが出来る存在と考えています。私も仕事と趣味両方でパソコンの前に座りっぱなしですが、隣には必ずマンガと雑誌の山があります(まあ同じくらいCDの山もあるけど)。というのは、パソコンモニタをずっと眺めているのって、とてつもなく疲れるのですよね。なので、一定時間おきには目を休めるために、紙媒体のものを読むか、音楽だけにする時間を設けます。ここまで明確に区分けしていなくても、パソコンの隙間に漫画を読んでいるという人はわりと多いのではないでしょうか。もしくは寝る前、ベッドでなんてパソコンするよりマンガですし、外に出て、電車に乗っているときも小説orマンガor雑誌です(携帯はいきなり電池切れることが怖いので、あまりバッテリ食うものは使いたくない)。


ま、たしかに娯楽では食い合うものもありますが、こうやって共存するものもあると思います。それらが相乗効果でより面白いものを生み出せればいいのかなと思ったりします。

*1:ちなみにラジオ(WebとAM、FMどっちでも)も同じ理由でネットと共存できると思う。