『サルまん2.0』に課せられた内部的と外部的な枷

たけくまメモさんで、『サルまん2.0』の終了に至った経緯を竹熊さんが書いた文章が公開されました。


前回『マンガの第2弾モノは本当にコケるのか』を書いた時から、ある程度たけくまさんのところで発表されてから書こうと思っていたものは決まっていたのですよ。それは今日以下で書くようなことを書いて、シメは「それでも『サルまん2.0』というのは悪くなかったし、今度は『サルまん2.1』として、Webをもっと使ったもの(例えばWebコミックとしてやるとか、原稿料をアフィリエイト&Web投げ銭でやってみるとか)を展開すればいいんじゃないでしょうか」みたいにしようとしていたのです。しかし、竹熊さんのコメントを見て、そんなことはすでに想定にあった上で、それが出来ないから終了に至ったのだなあと感じました。よって、そのときメモっておいた文章から、大幅に書き直しています。

さて、『サルまん2.0』の終了を決意されたのは、リンク先でも書かれていたような枷、つまり他との連動の失敗といった「内部的な枷」のほかに、「外部的な枷」があると思います。それは前の文章を書いていた時に感じたものです。

では「外部的な枷」とは何か。『サルまん2.0』はいわゆる「続編」です。しかし15年の感覚が開いているので、『マンガの第2弾モノは本当にコケるのか』で書いたのに照らし合わせると、『キン肉マン2世』や『エンジェルハート』と同じ感じの続編になるでしょう。正直、私自身としては、おそらくこのまま『サルまん2.0』の連載を続けていても、上と同じくらいの、「続編」としての面白さのレベルにはなったんじゃないかなと思います。しかしながら、『サルまん』というものはそれではいけないという宿命を抱えていた、と断言できます。もしただのなつかしついでのリバイバルで、他の作品に並んでしまうならば、それこそ過去に培ってきたものをすべて壊してしまう可能性さえあったのですから。それこそ、作品内容どころかテーマ全体を否定するくらいに。だって、マンガの失敗する状況を笑うものであったマンガ自体が、本当に失敗したら笑うに笑えないですし。

そうならないために、「他の何か」においてただの続編ではないものにしなければならなかった。しかし、そうするための「他の何か」(Web展開など)は『内部的な枷』により実現不可能となってしまった。でもマンガ単体で新しいものを展開するとしても、それならばすでに15年前に出し尽くしていた、ならもうやる意味がなくなってしまったということなのでしょう。

久しぶりにこのコンビの作品が見られて嬉しかったので非常に残念ではありますが、ここで「やめないで」ということは、上のことを考えるとどうしても言えないのですよね。自らそうなることを予見して、止めたというのであれば、英断でしょう。走り出したものを止めるのは、それを始めたときよりも何十倍もの労力がいると思いますので(会社の大プロジェクトの失敗によくあるパターンですよね)。ましてやこのような前例があまりない漫画界にとっては。

ですので私はおふたりに、無理に『サルまん』の続きをやれとは言いません。ただ、また竹熊さんや相原さんに「これだ!」と思えるアイディアがあった場合、無理にマンガ家のネタにこだわらずとも、またサルまんのような時のノリでそのネタに関して作られても面白いものはできあがるのではないでしょうか。実際、編集者のほうをネタにしたのとかありましたしね。なら、もう一歩進んで他の業界をネタにも出来るはず。なので、おふたりがまた共同で作品を作られることは期待したいと思います。

最後ですが、もうひとつ。例の文章中に書かれていたもの、

マンガ界の現状は、マンガ雑誌本体はもう崩壊寸前で青息吐息なのですが、一部に「売れる作品」があって、あとはアニメ化・商品化・携帯配信などをやることで、かろうじて維持しているのだと思います。

これがかなり重い言葉ですが、最近の部数減、廃刊状況を見ていると、的を射ていると思います。こんな状況の中だからこそ、それを打破するために昔『サルまん』がしてきたような試みが必要なのではないでしょうか。ハイリターンのかわりに、ハイリスクだとは思いますけどね。座して死ぬよりは。

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