プロバイダーZEROが教えてくれた教訓

インターネットがまだ普及する前、そこでは様々なサービスが生まれました。例えば女性だけのプロバイダとか、広告を受け取れるだけでいくらもらえるとか。しかし発展と共にそれら個性的なサービスは、インターネットが発展するに従って多くが消滅してゆきます。多くが広告サービスに頼ったものだったので、それらのサービスが飽和状態になり、採算がとれなくなってしまったのが主な原因と思われます。

■参考:“巨泉CM”のジェイサイドが清算へ 〜「Jside.com」は他社が引継ぐ

★追記:Jside.comについては別のブログで書きましたのでそちらで。

そんなインターネットサービスが続々と出てきた頃、私の周りでも非常に話題になったものがあります。それは『ZERO』というプロバイダ。その頃の回線はまだまだ電話回線の56K、もしくはISDNが主で、やっとADSLが普及してきたかな、という時代でしたが、いずれにせよ接続にはそれなりのお金をプロバイダに払う必要がありました。しかしここは『基本料0円』をかかげてサービスに乗り出します(余談ですが、同時期に『ライブドア』という会社も同様に無料プロバイダサービスを始めていました。もっともこれは現在のライブドアとは直接の関係はありません。ここを現在のライブドアの前身であるオン・ザ・エッヂが買収し、現在に至ります)。

しかし、ここを有名にしたのはそのサービスよりも、その時期に流されたCM。

このCMには、今でもしっかりと覚えているフレーズがあります。

『お前に金を使わせる奴は、大統領だって敵と思え!』

これは無料を押し出したキャッチコピーです。しかし、私はこれにかなりの共感を覚えました。とはいってももちろん全部のものに金を出すのがダメというわけではありません。言ってみれば『お前に必要のない金を使わせる奴は、大統領だって敵と思え!』という感じです。

この「必要のない金」というのも単純にケチになるということではありません。例えば私がある製品を欲しいと思った時にそれに見合った価格であるならば、それは必要のある金です。ただ、同じような製品なのに無用にそれが高価になっている場合、それは必要のない金だと考えます。例えばパソコンでよけいなアプリがついているだけなのに、数万円高くなる場合などは必要のない金って感じ。同じことは飲み会などでも言えます。その楽しい時間を共有出来たのだったら、別にそれに対してお金を払うのは苦痛ではありませんよね。場合によってはここは俺が持ってもいいと思うこともあるでしょう。しかし楽しくなかった場合は、料金を払うのにも苦痛を感じますよね。まあそこでゴネて払わないということはありませんが、もう二度とそのメンツとは行きたくないと思うのは自然でしょう。ゲームなんかもそうですよね。価格が高くても満足度が高ければいい買い物をしたということになります。そう考えると商売というのは必ずしもどっちかが損をしないとどっちかが得をしないように見えますが、必ずしもそうではないんじゃないかと思います。逆もまた然りですが。

つまりそういった払う価値のない金を払わせようとする人間は『大統領でも敵』と思えるようになったのです。とはいえ、普通ではそこまで敵に感じるものというのは滅多にありません。ゲームとかマンガでも、「まあ……(でも次は買わないかな)」って感じにはなりますが大統領を敵にするほどの怒りは覚えません(製品が動かなかったら話は別ですが)。では何に対して大統領でも敵に出来るかというと、それは『悪徳商法』。

『悪徳商法』というのは、明らかにそのものを違法な手段により、価値より遙かに高い値段で売りつけるというものですよね。これは明らかに「必要のない金」と考えます。*1その思考のおかげで、今までかなり助かっている場面が存在します。

私は今まで悪徳商法に巻き込まれる手前にはなったことはあります。ただ、金を払う段階にまでなったことはありません。というのはそれまで会話をしていても、自己負担、つまり自分が金を払うという話をこっそりとでも差しこまれた瞬間に、その違和感に気づくからです。それはいくらオブラートに包んであっても同じ。

例えばある日(7年前くらいかな?)、話しかけてきた人がいて、やけになれなれしい態度で昔の同僚だと名乗ります。とはいっても全員の顔を覚えているわけではありませんので、適当にあしらっていたら、何故か金銭の話を聞いてもいないのに持ちかけてきます。最初は「自分はいくら持っている」とか言って頼みもしないのに札束を目の前で見せます。まあこの時点ではまだ変な奴程度の認識だったのですが、次に「貯金いくら?」と聞いてきて、そして『儲け話がある』別の場所で話そうと誘ってきました。ああ、これはそうか、と気づき警戒態勢をとっていたら、それに気づいたのか自然と離れていきました。今思えば、同僚だったかも謎です。話だけ聞くとけっこう単純で引っかかりそうにないと思われる話ですが、ああいう人って話術がうまいのですよね。あとから考えると妙に感心しましたが(おまけ。『悪人に見える悪人なんて滅多にいない』ってのは心の中に念じておきましょう)。ただ、そういった金の話になると思考をそれまでの流れと切り離せ、且つ「人が勧めてくる儲け話には必ず裏がある」という思いが自分の頭の中にあったので、そこで怪しさに気づいたのだと思います。これに比べると、ネット上の「儲けます」話のはほぼそれと気づいてスルー出来るようになりました。ただ残念なことに、その「人が勧めてくる儲け話には必ず裏がある」という前提も最近気づいていない人が多いみたいですが。

★追記:そのことについて詳しく書きました。

どうも日本では財布の紐が固いのは美しいと思われないみたいなところがありますが(よくその手の儲け話も「ここで勝負しなきゃ」とかつけこんでくるタイプ多いみたいだし)、こういった警戒をするくらいの固さは持っていた方がいいと思います。

もっとも本当はZEROのCM以前から思っていたことなのですが、このフレーズがあまりに自分の思っていたこととぴったりあっていたので、今でも印象に残っているというわけです。とはいえ、実際はZEROも普通に使えば基本料以外のところで金を払う必要があったので、そのCMの言うとおり加入しなかったのですけどね(すでに当時全盛だったドルフィンインターネットと契約してたし)。ま、今でもGMO傘下でZEROはあるみたいなので(無料ではないみたいですが)、調べてよいと思ったら使ってみるのも手ではないでしょうか。重要なのはそのものが本当に自分にとって価値があるか見抜く判断力じゃないかと思います。

一応最後に言っておきますが、『お前に金を使わせる奴は、大統領だって敵と思え!』とはいっても、食い逃げには賛同できないです。あれはあくまでCMの演出として受け取っておきましょう。

*1:でもたまに悪徳商法と言われているものでも、騙されていることに本人が気づいていないものってのもありますが、これはかなり微妙なラインですよね。

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