『炎ジョイ』が出来た理由、そして炎上した理由を考えてみる

Yahoo!のトピックスまで出たのにあっという間に消え去ってしまったサイトがありました。その名は『炎ジョイ』。

炎上ブックマーク「炎ジョイ」、開設から2日で休止

11月20日から11月22日に炎ジョイをご利用いただきました皆様へ

さて、このサービスが炎上して消えたことですが、ネットユーザーのある程度の人には休止はともかく、非難されることは予測できたことではないでしょうか。私もこのサービスを見たときに、「ここ自体が反感買うんじゃないか?」と思っていましたし。
そうなると、なんでここが炎上したのかというより、「何で(こんな非難を浴びる)サービスが生まれたんだ?」ということ自体が疑問に思えてきます。そこでそれについてちょっと考えてみました。


そもそもネット上で起きる「炎上」ですが、多くの場合は何かしらのきっかけがあります。それはその人の発言だったり、行為(特に犯罪行為)だったり。あとある作品が視聴者の不興を買って、そのスタッフのブログが炎上することもありますね(正直これはそのスタッフがどれだけの権限をもっていたか、そしてどんな事情があったか把握できないので、かなりお門違いに思えることもあるのですが)。もちろんネットマナー(ものによっては法律)に照らし合わせれば違反行為とされるものは多々あるので*1、それらを正当化は出来ません。しかし、多くの場合何かしら「燃料」となる理由が存在します。

さて、普段は火の気はないけど、あるきっかけで突然燃え上がる炎上。これは現実世界に例えれば「暴動」となるでしょう。暴動も何らかのきっかけで起きるものですから。

ここでいきなり『デスノート』。この作品にも暴動シーンが存在します。それは10巻で、キラの策略によってニアのいるビルに暴徒がつめかけるシーン。この時ニアはこの暴徒のタイプを3種類に分類します。

1、キラを崇拝する域にまで達してしまい、兵士の様に盲目な殺戮者になり得る本来のキラの思想と逆の事をしてしまう人間
2、その崇拝者達に連れて来られた自分の意思では動いていない長いものには巻かれろタイプの人間
3、ただ単に暴れたいこの騒動を楽しんでいる馬鹿

デスノート』の例の場合、集まった人は「キラが悪人を裁くことを心の中で望むだけの人間」というカテゴリが除かれているので、1の性質が違いますが、その目的の達成者以外に2と3の存在がいるという点は多くの暴動事例に言えると思います。すなわち

1、その原因に対して(暴動という形で)行動を起こす者
2、1の追随者(本来はその思想と違っているか、0のパターンの人)
3、その暴動自体を楽しみたい人(思想はどうでもいい)

0、(たとえ原因に対して反感を抱いていても)行動を起こさないもの

こんな感じかと。

たしかに、現実的に世界でのこういった暴動ニュースを見ていると、明らかにそんな感じに見えますね。
あまり関係ない店で略奪が行われたりするのもそういったところがあるからでしょうし。まあただどれも証明することは出来ないので、見方によって変わりますが。おそらくその暴動に対して理解的な人は1が大多数、反感を持つ人は3が大多数と考える傾向があると思われます。


さて、ネット上の話に戻ってこのパターンを当てはまるか考えてみると、リアルより行動を起こしやすい分性質は多少変わりますが、基本は同じだと思います。ただ、2はネットの性質上あまりないかなと。それに1にも暴動と違って、先述のように理性的反論をする人と感情的な書き殴りをする人、また荒らし行為で反感を示すものと多数のパターンがあると考えられます。まあ、理性的な反論も荒らしも一緒に「炎上」とされているのも問題はあると思うのですけどね。ひどい時だと、普通の反論コメントが複数あっただけで「炎上」とか使われることもあるし。


それじゃあ最初の「何で炎ジョイが出来たのか」というところに戻ってみましょう。これはおそらく、ネット上の炎上に参加する人の割合を3、すなわち炎上を楽しみたい人中心と捉えてしまったからではないでしょうか。すなわち、「炎上は潜在的な欲求であり、需要が多く存在する」と。
前述のように、暴動にせよ炎上にせよ、思想調査のデータがあるわけではありません(仮にあってもみんな1と答えるでしょうし)。ですので本当のことは証明できませんが、今回の炎ジョイの炎上を見る限り、それはミスリードだったのではないかと。第一それだったらひとつの炎上に参加した人は、「理由を問わずに」別の炎上先があったらそれに参加しなければいけなくなりそうですけど、そんな暇な人が大勢いるとは思えませんし。

この炎ジョイの需要、つまり炎上のサーチに対しての需要がはるかに大きければ、それにより非難は打ち消されて存続されたかもしれません。それ故にサービスが始まったのだと思います。しかし実際はそうはならなかったみたいで、普通に「何喧嘩煽ってるんだよ」と大多数が思ったが故に炎ジョイ自体の炎上となったかと思うのです。


そういえばちょっと前に、炎上の現象を言い換えるものでどっからか「ネットイナゴ」なる言葉が生み出されましたが(そしてすぐに消滅しましたが)、これも炎上の性質を微妙にずらしているように感じます。炎上は普段はその姿を存在させず(炎なので)、何か燃料がないと燃え上がらないのに対して、イナゴは何処かに存在し、そしてエサがあれば必ずやってくるように見えますから。


最後に重ねて言いますが、別に炎上を肯定しているわけではありませんので。平和がいいですよ、やっぱり。とはいえ、なんで炎上の原因となる犯罪行為自慢とかしちゃうのかなあとか思ってしまうことはありますけど。まあネットが本当は世界に開かれているのに、身の回りの人間だけのクローズドな空間だと認識しちゃっている人ってのはネット黎明期から今まで常に存在するんだろうなあと思ったりします。


DEATH NOTE (10) (ジャンプ・コミックス)

*1:ただ、やんわりとネットマナーに照らし合わせて警告したのを無視、削除、非難して炎上するパターンってのもありますね