ネット上の書き込みや投票の信頼性を高める方法はあるか

さて、こんな話題が。

カンニング竹山「ネットは実名制にするべき」がネットで話題に

まあこれについては討論番組といえどバラエティ寄りの番組なので、それも加味しなければならないと思います。バラエティで芸人が的確な中間意見を出したところで面白くないし、竹山氏自体がこういった暴論系で暴れ回るほうがウケが取れるキャラだしってことで。おそらく演出と考えたほうがよく、竹山氏の意見として責めるのはちょっと違うかなと。テレビは見てないのでこれ以上はなんとも言えないですけど。

でも、ここであえて書かずとも、ネットでの実名制というのには感情的なもののほかにもいろいろな欠点があるのはリンク先でも指摘されています。一番は個人の特定ですね。つまり、個人情報が漏れることによる不利益。まあ軽く考えてメールからリアル電話やダイレクトメールといったもののスパムの嵐になりますね。年齢ひとつでさえ重要なデータなのですから。それに最悪の場合、犯罪に巻き込まれますね。ネットでの匿名によって中傷が起きたり、温床になって犯罪に繋がると言いますが、実名だとそれは形を変えて犯罪に繋がります。それはまあストーカーからなりすまし中傷まで想定はいくらでもできるでしょう。

それに、仮にこのネット実名論がそれなりの説得力をもつものになったとしても(私にはどう考えてもそこまで持って行けないですが)、これはテレビで芸人の人が言ったところで説得力はあまりないでしょうね。なぜなら芸能人というのは「名前を売る」ことでその仕事を成立させている人ですから、名前が出ることはその職業にとっては当たり前のことです。芸名の人もほとんどの場合、実名も判明してますしね。つまり、すでに実名が出ている人が「実名を出そう」と言ったところで説得力がないのですな。ちなみにネットを使用していない人も同じく。つまりこの意見に説得力を持たせたいのだったら、ネット使用者で、名前が出ていない人が率先して言わないと説得力がないかと。

まあ、それ以前に技術的法律的に憲法でも変えない限り……って、海外を使えば憲法変えても無理でしょうし、これは置いておくとします。


まあそんなわけで、ネットでの実名使用強制は問題外ですが、しかし、実名のようなものはあってもいいんじゃないかなとは思うものがあります。というのは、現在のネットではショッピングなど金がかかわるものならともかく、掲示板など発言するだけのものだとその人が本人だと証明する手段がほぼ皆無なのですね。

昔……1990年代にはプロバイダのメールアドレスがそれのようなものでした。その頃は多くの人がメールアドレスをプロバイダから発行された1つ、多くて仕事用の2つしか持っていなかったので。そして各種ウェブサービスの登録でも、そのようなプロバイダメールが認証の手段だというところはわりとありました(Yahooメールなどのフリーメールは除外)。
しかし現在、メールアドレスの取得方法は増え、タダでもWebメールどころかPOP3メールが使えるところもあります。それにレンタルサーバがあれば、ほぼ無限にメアドが作れるでしょう。よってこのメアド認証は事実上できなくなっています。

2ちゃんねるでは、一応一時的に証明する手段(トリップ)がありますが、それはあくまでその場のものです(とはいえ掲示板ではそれで十分だとは思いますが)。

さて、ここで困るのは「自作自演をしていない」という証明ができないこと。前述のトリップを使っても、それ以外の名無しがそのトリップの持ち主ではないという証明は客観的には出来ません。それは全員がトリップを使っても同じこと。極論IPを晒したところで、別のPCを使って自作自演が不可能ではないです。
一番困るのは、ネット投票の時。よく投票サイトではIPで一人1票を守らせるようにしていますが、前述のように自作自演が可能です。というかよくそういった複数投票は行われていますね。それが故に、ネットでの投票というのはあまり信頼がるものとなっていないのが実状です。そしてこういった現状が
ネットの信頼性を落としているという点もあります。まあ、全面的に掲示板の書き込みやアンケート結果を信頼している人がいたら、それはそれで問題のような気がします。

しかし、ここで一人に対して必ず一つしか持つことの出来ないネット上での実名、言ってみれば『ネット実名』(ちょっと言葉的に矛盾している気もしますが)があったらどうかと思うのです。いや、実名だとどうしても目立つ、目立たないで問題が出てくると思うので、番号とか。例えば65468468134164+94+4+79+(ちなみにテンキーを1秒適当に弄ったもの)が私の番号で、これを持つものは世界にひとりしかいないと。

これはよく登録型サイトであるひとり1IDを大がかりにして絶対性を高めたものです。つまりは免許証番号みたいなものとして。それは必ずひとりに対して1つしか交付されない。それを使えばネット投票でも正確な値が導き出せると思いますし、投票の他にもいろいろ役に立つものが生まれるかなと。

でもいち企業がそういった番号を発行したところで、それの信頼性は現在の登録型サイト程度にしかならないでしょう。それに、その番号から実名が導き出せたりしたら、もしくは実名からその番号がわかってしまったとしたら、意味が全くありません。ですから公的な機関がそれを発行するぐらいしないと。

重要なのはそれを使うことを強制するのは絶対に避ける必要があるということ。前述のような掲示板で無制限にこれを使わないとダメだとかいうことは、結局自由を縛ることになると思うので(まあ政府のサイトみたいなところでは、あってもいいと思いますが)。あとは、ネット以外の使用は絶対にしないことでしょうね。使ってしまうと本当に免許書番号とかと大差なくなりますし、そうなると結局それ自体が価値を持ってしまって、それこそ現実的に売買されたり悪用される可能性が高くなるからです。つまりはその番号はネット上での本人確認以外は、意味を持たないものにしないとダメだということ。


こんなものがあったらそれまでのネット投票とかがかなり正確になって良いと思うのですが、実現はおそらくかなり困難、というか不可能でしょうね。それはネットだけのためにそういった機関を作るのが無理であろうこと、それに下手にこれを作ると、この番号を使うことをそれこそ一番最初のネタのようにネットで強制されるという本末転倒な流れになってしまいそうなことが理由に挙げられます。もしくはそうならなくても、その規制への警戒心を誰かが持っているなら同じですね。というか書いた自分でもその危惧があるくらいですから。


とにかく、今のネットの発言というのはどうも信憑性の面では弱い部分があるので(まあそんな「嘘を嘘と見抜く力」を持つことも含めてネットとも言えるでしょうが)、上の方法に限らずとも、自由を保つという大前提をふまえた上で、信頼性が上がる方法があればよいなと思います。