空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

ジョジョは日本での洋楽の売上に影響を与えたか

TSUTAYAとかに行って洋楽CDコーナーを見ていると、なんだか聴いたこともないのにアーティスト(バンド)名はどっかで見たような……というデジャ・ヴに襲われることありませんか?……ってデジャ・ヴでもなんでもなくて、単に『ジョジョの奇妙な冒険』に出てくるスタンド名やら登場人物やらで見たことあるなと思ったわけです。

私はたまに洋楽も借りてきて聴くのですけど、わりとその導入になったのが、「ジョジョで見たことあるなあ」ということがあるのですね。
私がジョジョと関係なく聴いたことのある洋楽のアーティストって、ジョジョでは第2部のワムウ(Wham!)、スージーQのSuzi Quatro(Boφwyのアルバムに1曲あった)、第3部のエンヤ婆のEnya、ペット・ショップのPet Shop Boys(というか「Go West」)、第4部、吉良吉影のスタンド名として曲が使われる(『キラークイーン』『シアーハートアタック』『バイツァダスト』)フレディ・マーキュリー率いるQUEEN(洋楽で一番好き)、音石明のRed Hot Chili Peppers、第5部グイード・ミスタのスタンド名Sex Pistols、同じく第5部リゾット・ネエロのMetallica、ディアボロのKing Crimson、サーレーのKraftwerk(これも好き)、あとあちこちで使われているビートルズくらいかな?それ以外はたいてい聴いているときも、ややキャラが思い浮かびました(というか前述のアーティストでも思い浮かぶことありますけど)

それで思ったのですが、もし私と同じような人がそれなりにいたとしたら、ジョジョは日本における洋楽の売り上げに貢献していたのではないでしょうか?

どんな音楽CDでも、新しく買う(借りる)という時は、ジャケットが良いとか試聴したときの音楽が良かったとか、大半は何かしら理由(きっかけ)があるはずです。無関心のものをいきなろ買う、ってことは、よほどのことがないとあり得ないでしょう。となると、洋楽においてそれの第一歩がテレビだ、雑誌だという人がいるように、「JOJOだ」って人もいておかしくないのではないでしょうか。だって、最盛期は600万以上の人が見ていた媒体に載っていたものなのですから、並の雑誌や広告じゃかないませんし。

もちろん「JOJOで見た」というだけでは影響は少ないでしょうが、「(JOJOで)見たことある」の流れから、それを試しに聴いてみるとか、借りてみるとか調べてみるの流れに繋がった人はいるのではないでしょうか。
広告で「AIDMAの法則」というのがありますが(Wikipedia-AIDMAの法則)、これの第一段階、Attentionの助けにはなったんじゃないかと思ってしまうわけです。

しかし、本当にそうなのかというのはわかりません、というか証明が非常に困難です。それはまさか洋楽を買った理由で「ジョジョで見たから」と答える人はかなり少数派だと思うからです。それは別にマンガの影響が恥ずかしいとかではなくて、あまりにも購買の前段階なので。それよりもAIDMAのもっと先の段階である「試聴して良かったから」とか答える人のほうが多いでしょう。
「風が吹けば桶屋がもうかる」と言いますが、じゃあ桶屋は風が吹いたことが影響しているとは認識できるでしょうか?それはよほど徹底したリサーチをしないと不可能だと思われます。

まあそんなわけで、「ジョジョは洋楽の売り上げに影響を与えた」ということは証明は出来ません。だけど、「影響を与えていない」という証明もまた出来ないわけです。なんだか悪魔の証明みたいですが、私は少なからずジョジョがなければ聴いていない曲もあると思うので。

でも、ジョジョに限らずこういうのってありそうですね。実際、海外の有名サッカー選手には『キャプテン翼』のファンだって人がわりといるって話なので、それがきっかけって選手もいるかも。
日本でも『スラムダンク』が人気になった時に、バスケ部への入部者が増えたとか、『ヒカルの碁』の時に碁をやる子供が増えたらしいですから、その中から将来の有名選手が出てきても不思議じゃないですよね。


しかし、「マンガの影響で犯罪が起こった」とか「ゲームのせいで(以下略)」なんて悪い面ばっかり報道されるわりに、こういったプラスの作用ってのはあまり言われないのはどういうことだろなと。どっちも関連が立証しにくい面では同じなんですけどねえ。