『天空の城ラピュタ』ムスカとパズーの心理戦

自分ではみんな知っているものだと思っていたのに、ある時に口に出すと回りが全然知らなかったことってありますよね。私も最近、みんな知っているものだと思って話したら、逆に驚かれたものがあります。それが今回の『天空の城ラピュタ』のお話。
とはいってもそこだけ特殊で、やはりネット上では当たり前のことかもしれませんが、それはそれってことで勘弁してください。



ラストも迫ってきたクライマックスシーンで、展望室で「見ろ、人がゴミのようだ」した後にシータが飛行石を奪って逃げ、それを銃を持って追うシーン〜パズーに蔦越しに飛行石を渡す〜おさげを撃たれつつの演説シーン〜パズー突入という流れになり、ここでバズーカを向けるパズーに対してムスカは「その大砲で私と勝負するかね?」と言い、緊張が走ります。その結果、「3分だけ待ってやろう」と言い、シータを釈放しますが、ここ、ムスカにすごい余裕があるように見えますよね。ただ、実際の状況を見ると必ずしもそうではないのです。

実は前のシータを追いかけて追い詰め、おさげを打ち抜く迄のシーンで、ムスカの拳銃に装填されていた弾はすべて撃ちつくしてしまっているのですね。ということは、あの対峙のシーンでは実はムスカは拳銃を撃てず、不利だった……と言いたいとことなのですが、実はあのシーン、パズーがドーラからもらった弾の数とそれまでに撃った回数を数えてみると、すでに大砲の中身は空であった可能性があるのです。
ということは、あのシーンではお互いが相手に対してかなり優位なような態度を取りながら、実は両方とも攻撃手段がなかったということになります。となると、ここではアクションではなく、実はカイジばりの心理戦が行われていたのではないかと。
そして、次の瞬間まるで余裕を見せたように「3分待ってやる」とシータを解放するムスカですが、この時間で再装填をしています。つまり別に余裕を見せたわけではなくて、単に自分のほうが装填する時間が欲しかったのですよね(ちなみに3秒で再装填できるみたいです)。

ちなみに装填を終えたムスカ様、そんなに待つほど甘くはなく、3分も待たずに1分経ったら「答えを聞こう」となります。(まあそのあとは「バルス!」で「目がぁ〜」となりますが)


ちなみに例の対峙の時にガチで闘っていた場合、ムスカのほうが替えの弾をもっている分、圧倒的に有利だったでしょう(3秒だし)。殴り合いになっても、所詮は大人と子供ですからね。しかもパズーにはシータという弱点もあったのですし。

まあ少年と特務機関の人間が心理戦をして結果そこでは引き分け(最終的にはパズーの勝ち)というのもどうかと思いますが、お互いにとって形は違えど譲れないもの(大切な人と昔からの望みであった世界の覇権)がかかっていたので、緊張もかなりのものだったのかもしれません。

しかしこんなところまで描いているとは、さすがは宮崎駿というべきでしょうね。


ついでに、こっちのほうはさすがに今書いたのより有名だと思いますが、ラストのラピュタのがれきが落下してゆくシーンをよく見てみると、その中に小さく落下してゆくムスカも書かれていますね。でもって「ムスカをさがせ!」が出来ます。(レベル8くらい?)