携帯電話はウルトラクイズを殺したのか

昔、伝説と言われたクイズ番組『アメリカ横断ウルトラクイズ』というものがありました。日本テレビで「木曜スペシャル」として、1年で秋頃に4週から5週にわたってしていました(1回90〜120分)。20代半ばまでの人ならば「福留功男」と言えばこの番組の司会者である像を思い浮かべる人も少なくはないと思います。当時は私も子供でしたが、ビデオのない時代、テレビに張り付いて見ていましたからね。ちなみに14回くらいの時に、VHSのビデオが家に入ってきて、懸命に録画しましたね。ちなみにまだ家にはそのテープがあったりします。(見られるかどうかは不明)
いやあ、しかしあの頃は本当にテレビが面白かったなあ。ウルトラクイズだけではなくて「お笑いウルトラクイズ」とかも。しかし最近はニュースくらいしか見てないのは、自分が歳を取ったのかそれとも……っと、愚痴は置いておきましょう。


しかし面白かったこの番組も、費用がかなりかかる上に、日数もかなりかかる番組であったため、バブルが崩壊した1992年、第16回目を最後に中断となりました。その後1998年に「今世紀最後」版が復活しましたが、それは外伝みたいなものでした。その後は根強いファンの声がありながらも音沙汰がありません。
それが復活しない理由は何か、というのを考えてみると、費用的な問題、それと安全的な問題(2001年の911テロがあとを引いているという説もある)が主なところでしょう。
しかし、考えてみるとあの当時と今とでは違い、クイズ番組の妨げになりそうなものがもうひとつあるのですね。それが「ネット」の存在。


ウルトラクイズが行われた1992年までは、インターネットの存在というのはほとんどありませんでした。というか、パソコン自体普通の家にはあまりなかった時代です。(まあい、一部の参加者が当時のポケコンを持ってきていたり、徳光氏の「敗者予想」というので、当時のパソコン……というかコンピュータが出てきたりしていましたけどね)
そしてもちろん携帯電話も。ですので、東京ドーム(後楽園球場)の第1問目では、電話ボックスの長い列というのが風物詩でもありました。

しかし現在、同じようにウルトラクイズが行われても、まずそうはならないでしょう。それは携帯電話があるから。さらに、電話の使用方法自体違うでしょう。というのは、誰かに聞くのではなく、ネットで検索する、というのが主な方法ではないでしょうか。
つまり、携帯を持っていると言うことは、全員が全員とてつもなく情報が載っている資料を持っているという状態になるわけですね。

ちなみに「自由の女神」関連の問題なら、絶対に番組が再開されるとわかった時から事前に研究して、ネットにアップしている人が出そうですし。というか、当日でも2chあたりで「ウルトラクイズ、第1問目の問題を検討するスレ」なんてのが立ちそうな気もします。
さらに、携帯を使うにしても、「クイズミリオネア」のテレフォンじゃありませんが、家にいて、隣には資料(ネットに繋がっているパソコン)がありまくる人に聞く、なんて方法もありますね。そしてそれは、人数の都合上出題から回答までのタイムラグがある第1問目から3、4問目くらいまでも同じことが言えると思います。

となると、そこらへんではネットで絶対に検索されないクイズが必要になりますが、それは現代ではかなり困難だと思います。それに問題を作ったときにネット上に答えがなくても、それから出題までにアップされる可能性がないと言い切れないでしょうし。それに前述の実況掲示板形式になってしまうと、もし知っている人がひとりでもいたら、かなりの人に答えが広まってしまいそうですから。(まあ、騙しあいの駆け引きになる可能性も高いですけど)

それを防止するためには、携帯電話他ネット環境の使用自体を禁止しなければいけませんが、30000人が集まる会場でそれをするのは事実上不可能と思われます。それに万一かいくぐって持ち込めた人がいたら、その人が大いに有利になってしまいますし。


さらに問題のことではないのですが、ウルトラクイズの場合、開催(夏〜秋)から放映(秋)までにタイムラグがあるのですが、もし心ない参加者がいてどっかのサイトとか掲示板にネタバレをしたら、その時点で台無しになってしまいます。(さすがに10名くらいになれば特定できるでしょうが、30000人どころか100人の中でも特定は難しそうですし)

ちなみに、1998年の「今世紀最後」でもパソコンを持ち込んでいる人はいましたけど、当時はネットがまだ黎明期だったので、ギリギリ出来る範囲内だったと思います。
(ただ、第1問〜第5問の出し方は変わっていたのですが、あれも実は悪意があると成立しなくなるんですよね)


前に『携帯電話はすれ違いストーリーを難しくしたのか』などというのも書きましたが、実は携帯電話はウルトラクイズの予選問題までも難しくしているのではないでしょうか。……まあやけにピンポイントですけど。

まあ、「お祭り」として本当は参加者の善意に期待したいのですけど、30000人もいると全員が全員そう思ってくれる、とも限らないのが悲しいところで。


でも最近見ていないからわからないのですが、「高校生クイズ」の第1問とかどうやって上のような問題を防いでいるのでしょうね。
そこでの方法が効果を上げていて、且つウルトラクイズにも適用できるものであれば、ひとつ障害が減ると思うのですが。

ともあれあの番組、もう一度復活して欲しいと願っている昭和50年代生まれの筆者でした。