空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

目立たない技術の方が難しいのに、アピールポイントにならないということ

 さて、こんな記事が。

 ■不要な機能が多すぎ。まず音質の良い携帯電話を (リンク切れ)

 すごく同意です。

 しかし、携帯電話の音質を向上させるというのは、目立たないわりにはかなり難しい技術なのですよ。というか、耳のすごくいい人なら向上成果がわかると思いますが、私たちのような素人には全然わからないでしょうし。
 しかも、それらの要素は難しいわりにはアピールが難しいので、広告的には地味になってしまいます。「通信精度UP」とパンフに書いてあったりCMで言われていたとしても、実感としては伝わって来にくいですよね。数値化もしにくいでしょうし。
 もちろん実際に聞き比べてみればいいのでしょうが、前述の通りこれらは難しい技術ですから素人に泡カルほど大きな差を生み出すのは相当難しいと思います。(もしそれが出来れば、一気に売れるとは思うのですけどね)


 ちなみに携帯電話には、この音質と同じように、性能を上げなければいけないのに難しく、しかも性質向上アピールが難しいものがあります。それがバッテリー。
 おそらく倍の時間持つバッテリーが開発されれば大売れするでしょうが、1時間伸びただけではそれを選ぶ人は少ないでしょう。

 ちなみに最近はiPodなどの音楽プレイヤーのついた携帯電話が開発、もしくは発売されていますが、現状のままでは見込みに反してそれほど普及しないと思います。というのも、ほとんどのユーザーが抱えているこのバッテリーの不安を解消しているものがないからです。 

 もしiPod単体ならば電池が切れたところでしばらく聴けなくなるだけで済みますが、携帯電話の電池が切れると、仕事及びプライベートで非常に困る人は大勢います。(コンビニには緊急用充電池が必ずありますし)しかも携帯のバッテリーが残り少なくなるという怖さは、ほとんどの人が経験していると思います。

 だけど、それらの携帯の充電量はおそらく今までと大差ないでしょう。しかし、音楽プレイヤーというものは使い続けることがわりと多く、その間、常にバッテリーを消費し続けます。そして、やってくるのは電池残量切れ間近の恐怖が……
 実際にそうではなくても、その不安があれば、敬遠されることはあれど、売りにはならないような気がします。今なら1万円でiPodシャッフルや、もうちょっと出せばnanoだって手に入りますからあえてバッテリー切れの侵してまで、一体にする必要はないのではないかと。


 ま、通信速度にせよバッテリーにせよ、難しいくて目立たないから、不要だけど目立つ機能が優先されてしまうわけですね。

 このへん、ここ10年のゲーム機と構図が似ているような気がします。ムービーとかは一時期かなり流行ったけど、ロード時間を感じなくするほど短縮するためには10年かかったというところが。

 ですが、そのアピールの主たるものとして使われたムービーは、もうファイナルファンタジークラスのでもなければすぐに飽きられてしまうようになってしまいました。そして今はロードストレスのない携帯機が主流となっています。(まあヒットの要因はそれだけではないでしょうが、大勢に受け入れられる要因の一つにはなっていると思います)

 ですので、やはりここは先を見通して、地道にそういった地味なところを上げていけば、ゆっくりとですが満足度は上がっていくのではないでしょうか。


 もっとも、そんな待っている間に負けてしまうほど競争が激しいのが今の携帯電話業界なのでしょうが。
 でも、目立たないところでそういった研究開発をされている皆さん、私は応援してます。